ネタバレあり『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』レビュー

『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』は、極上のアクション続きでまさにブロックバスターと呼ぶに相応しい映画になっていました。ストーリーなんて気にしなくていい、トム・クルーズによるトム・クルーズのためのアクション映画。

そんなトム・クルーズですが、過去には意外な作品に出ているって知っていました?イケメンアクション俳優と少し違う顔も持つトム・クルーズ。感想いってみましょう。

『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』の概要や解説、チケットの割引情報など、まずはこちらの記事も読んでみてください。

シリーズ最新作!『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』ネタバレなし解説

2018.08.04

全てはマクガフィン

"マクガフィン"の生みの親ヒッチコック監督が解説をしようとする

『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』におけるストーリーは、あまり重視されていません。

プルトニウムにレーン、なんでもいい

『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』では、常に何かを主人公のイーサン・ハントが追いかけています。同時テロ爆発を防ぐためにプルトニウムを奪取する、大事な情報を持ったシンジゲートのボスレーンを連れ去る。

こういった映画における主人公たちが目的とする『宝物』は”マクガフィン”と呼ばれています。アルフレッド・ヒッチコックが使い始めた言葉なのですが、いわゆる映画の物語上、取り替えが聞くものです。

今回のプルトニウムは例えば細菌兵器でも物語は成立します。つまり話の本筋とはあまり関係のないもの、そういったものが特にこの『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』には多用されています。

映画のメインはアクション

なぜそういったマクガフィンが多用されているのかというと、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』と言う映画のメインはトム・クルーズ本人による体を張ったアクションだからです。

ストーリーなんて乱暴な言い方をすれば、そこまで重要ではありません。だから、別に過去作を覚えていようといまいと、この映画は楽しめちゃうんです

今作はアクションありきで脚本を書いているため、特にアクションに振り切っています。その結果もちゃんと出ていて、本当にアクションが凄い。アクションだけで、あそこまでハラハラさせられるのかと。

ひと段落したかと思えば、次のアクションの布石が敷かれていて、それが何重にも押し寄せてきます。昨今では珍しい、アクションを目いっぱい楽しむ映画になっています。

ヘリ、ヘイロー降下、カースタント、全部やってる

飛び降りアクションを行おうとするトム・クルーズ

イーサン・ハントことトム・クルーズの凄いところは、すべてのアクションを自分でやってしまうところです。

御歳56歳

『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』の公開一ヶ月前に56歳を迎えたトム・クルーズ。56歳ですよ。それなのに、アクションをほぼ自分でこなしている。通常の56歳なら、そろそろ引退に向けて仕事も家庭もスピードダウンさせる歳です。

なぜトム・クルーズはこの年齢でここまで本気でトライできて、その魅力はどこにあるのでしょうか。

ただのイケメン俳優ではない

トム・クルーズといえば『トップガン』や『卒業白書』、『カクテル』など甘い魅力を持つ俳優として結構知られていると思います。けど、彼の真髄を観るために一番見て欲しい作品は、トム・クルーズを語る上で絶対に外せない『マグノリア』と『トロピック・サンダー』。

ここでのトム・クルーズはアクションスターでもなく、メロドラマのイケメン主人公でもなく、ちょっとヤバめのB級キャラを演じていました。

『マグノリア』のトム・クルーズは女性をペニスで抑えつけろ!お前らはモテる!をモットーにした新興宗教の教祖様を演じています(現実のトム・クルーズもサイエントロジーと呼ばれる新興宗教の信者)。

『トロピック・サンダー』ではすぐに切れる映画プロデューサーとして、ボテ腹、ハゲのビジュアルで参加しています。

トム・クルーズの魅力は、この演技の幅の広さにあると思います。ビックバジェットの格好いいモテモテのキャラを演じている反面、新興宗教の教祖など、ちょっとB級臭のする映画にも出ている。

“本物”のアクションスターになる

そういった演技の幅を持ちながら、トム・クルーズが本物のアクション俳優になるために努力を惜しまない変態的なまでの完璧主義性が『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』の根幹にあります。

これはあくまでも自論なんですが、アクション映画には二種類あると思っていて、一つはアクション演技をする俳優がそもそも凄い『燃えよドラゴン』のブルース・リーや『ザ・レイド』のイコ・ウワイスなど、役者自身が格闘家だったりスタントマンだったりする場合。

もう一つが、カメラ的(演出的に)アクションを凄く見せる場合。これは俳優が誰であれ、ある程度は成立しますが、前者のそもそも凄い人がやるアクションに比べると、「人間的にやべえな…」と心底恐怖を覚えることはあまりありません。

トム・クルーズも、過去作などを見ていると今までは後者のアクションが演出的に凄い人、だったのですが、近年はもう彼自体が「そもそも凄い人」になりつつあります。

今回もヘリの操縦からカースタント、ヘイロー降下にすべて自分でやっています。CGがほとんどない分、その息つく間もない見ているこっちが恐怖を覚えるアクションというのがカメラのレンズ越しに行われていて、心底楽しめるアクション映画に仕上がっていました。

少し抜けもある

サイモン・ペッグのような抜けがある犬

完璧なアクション映画としての『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』ですが、抜けているとこもあって個人的にはとてもツボでした。

やっぱりベンジー大好き

『ミッション:インポッシブル』シリーズといえば、第3作から登場しているサイモン・ペッグ演じるベンジー・ダン。イギリスのオタクドラマ『SPACED』やエドガー・ライト作品の常連として出演していた英国の冴えないオタク俳優が、ここまできた…となると心が洗われます。

前作の『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』はそんなベンジーへの愛が詰まった映画になっていました。今作は熱い愛を乗り越えたのか、少し冷めてしまったイーサンとベンジーですが、この二人のショットは「また見れた」と勝手に嬉しい気持ちになれます。

トム「パワー!」

『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』はアクション映画として完璧なのですが、実は大爆笑するシーンもあります。

それは物語後半、トムとヘンリー・カヴィル演じるウォーカーが壮絶なヘリチェイスをするシーンです。トムの機体のモーターが火を吹き、出力が落ちていく中、トムは諦めません。そこで彼が言い放ったセリフが「パワー!!!」(日本語訳は「出力を上げろおおお!」って感じでした)。

ヘリの出力を上げるために、車のサイドブレーキのようなレバーを上に引くのですが、この長細いレバーをそそり立つくらい上に立てながら「パワー!!!」と叫ぶトムは、堂々と下ネタをしているようにしか見えません。

このシーンで一瞬、『マグノリア』や『トロピック・サンダー』のトムがちらりと見えて、とても大興奮しました。

まとめ

トム・クルーズという俳優が、だんだんと「そもそも凄い人」になっていく中でやはり彼の過去作は忘れられません。僕が好きなトムも、そうでないトムも、様々な顔を持つまさにカメレオン俳優。

そんな彼が演じる『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』は生半可なアクションでは終わらない最高の映画でした。これはぜひ映画館の大画面と音響で観てください!

 






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PROFILEわたしが書きました。

いとうMgr.

某大手シネコンにて、アルバイトスタッフとして4年間勤務して、喜びも悲しみも味わった男性。
映写技師からポップコーンの販売まで、4年間勤めてみればアルバイトのほとんどをこなせるようになっていた。好きな映画はエドガー・ライト作品。大手シネコンではエドガー・ライト作品は中々上映されず、当時は憤りを抱いていた。