さて!夏の大作、『ジュラシック・ワールド/炎の王国』が公開されました。前作『ジュラシック・ワールド』から約3年、『ジュラシック・パーク』シリーズの5作目となります。
前作の『ジュラシック・ワールド』は恐竜こそ格好良かったのものの、内容としてはいまいち…。人間の行いが結局全部の事の発端で…みたいな残念な仕上がりになっていました。監督はコリン・トレヴォロウからバトンタッチしてJ・A・バヨナ監督。
今までブロックバスターの経験のない監督ですが、とてもオリジナリティ溢れる『ジュラシック・パーク』に仕上がっていました。
この記事では『ジュラシック・ワールド/炎の王国』についての感想を交え、作品の解説を行っていきたいと思います。
『ジュラシック・ワールド/炎の王国』について
まずは映画の概要について。
ストーリー
ジュラシック・パークを引き継いだジュラシック・ワールドの閉園から4年。ジュラシック・ワールドの島が恐竜を残して火山噴火の危機に。残った恐竜を逃すべく、元運営管理者のクレアは恐竜保護団体を通して恐竜たちの保護を行おうとする。
まだ生きていたヴェロキラプトルのブルーを優先的に保護するために、調教したオーウェンの元を訪れるクレア…。
割引・入プレ情報
まずは『ジュラシック・ワールド/炎の王国』の割引と入プレ情報を。
前売り券 | あり(ムビチケ) |
サービスデイ等 | 劇場による |
入場者特典 | なし |
入り具合
公開日二日目の日曜日の朝一の回を鑑賞。入り具合は半分くらい。結構びっくりしたのが、若い女性のペアが多かったことです。クリス・プラットの効果かな?
過去作とのつながりは?内容解説※ネタバレなし
では『ジュラシック・パーク』シリーズを今作を筆頭に深掘りしていきます。
前作とのつながり
前作『ジュラシック・ワールド』とは正統な続編となっていますので、必ず前知識として必要になります。登場人物も続投していますので、是非前作鑑賞後にご鑑賞ください。
登場する恐竜(こっちがメイン)も多くが続投しています。前作メイン恐竜である遺伝子操作されたインドミナス・レックス絡みの話もあるので、恐竜も要チェックです!
前作以前とのつながり
『ジュラシック・ワールド/炎の王国』はあの有名な『ジュラシック・パーク』シリーズの最新作となりますので、『ジュラシック・パーク』に登場していた登場人物も登場します。
特にある人物の過去作のあるセリフが、今回重要なテーマとなっています。Huluなどで一挙配信していますので、時間があれば是非チェックしておきましょう!
次回作について
現状の興行収入は、制作費170億円の三倍以上稼いでいます。さらに2021年の6月に次回作の公開がすでに決定しています。監督は再度コリン・トレヴォロウ監督。
三部作で終わりになるか、その後もっと続いていくか。ブルーがいつまで観れるか楽しみですね。
『ジュラシック・ワールド/炎の王国』レビュー!※ネタバレあり
ではいよいよレビューです!多少のネタバレありますので、鑑賞後にお読みください。
主人公はウェロキラプトルのブルー
前作で調教されていた恐竜(調教というよりペット)のヴェラキラプトルのブルー。他にも何頭かいたのですが、ブルーだけに。物語は彼を軸に動いていました。
このブルー、体は前作よりも大きくなっていたのですが、可愛いのなんの!オーウェンのことを忘れていると思ったら、ちゃんと覚えてたんですね。もうブルーが主人公です。人懐っこいし頼りになる。いつかブルーと遊びたい。
歌舞伎のような映画
『ジュラシック・パーク』シリーズは、スティーブン・スピルバーグ監督から始まりました。内容も素晴らしいのですが、何よりその撮影技術。今では当たり前のVFXを駆使したり、本当に恐竜がいるかのような映画でした。
この映画シリーズの見所はそんな恐竜たち。まるで歌舞伎のように「見得」をとります。まるでゴジラのような咆哮を行う、怪獣映画でもあります。怪獣好きの男の子は無条件で好きですよね。
マルコム「生命は…道を探し出すさ」
『ジュラシック・パーク』初代から出演しているイアン・マルコムが初代作品で述べているセリフ「生命は…道を探し出すさ」。これが今作のテーマともなっています。
屋敷に拉致された恐竜たちが脱出するシーンで、恐竜が逃げると8キロ先の町に被害が及ぶため、出口のドアを開けることを躊躇するクレア。恐竜たちはまさしくどん詰まり。肉食も草食も、毒ガスが蔓延する屋敷から逃げ出そうとします。
そんな時、ドアを開けるのはロックウッドの孫娘であるメイシー。彼女もクローンで作られた娘でした。同じく恐竜たちもクローンで作られた命。しかし、彼らは道を見つけます。毒ガスの蔓延する屋敷から逃げ出し、人の住む世界へと。
このシーンだけでも、この映画全てを物語っています。この映画でスポットライトが当たっているのはオーウェンでもクレアでもなく、遺伝子操作で生み出されたブルーやメイシー、恐竜達だったのです。
J・A・バヨナ監督と映画の見所
ではこの映画の監督について触れていきましょう。
バヨナ監督のフィルモグラフィー
バヨナ監督ですが、下記の映画を今までに制作しています。
- 『永遠の子どもたち』(2007年)
- 『インポッシブル』(2012年)
- 『怪物はささやく』(2016年)
この中でも、『永遠の子どもたち』は『シェイプ・オブ・ウォーター』のギレルモ・デル・トロ監督が共同制作しています。洋館で孤児たちに起きる話なのですが、ちょっとホラー気味です。
続く『インポッシブル』はスマトラ沖地震で発生した津波を題材にした映画です。ユアン・マクレガー主演で、確かこれ、日本公開は東北大震災と重なって延期されて、結局公開時期はかなり短かった覚えがあります。
「子供」と「洋館」が出すギレルモ感
『ジュラシック・ワールド/炎の王国』から新たに出てきたロックウッドの孫娘のメイシーというキャラ。彼女は後半に進むにつれ、出演シーンが多くなります。
ラストまでいくと、むしろこの子供と恐竜の洋館での駆け引きがメインになっています。これは、ギレルモ監督の『パンズ・ラビリンス』などと同じ匂いがするというか、火山噴火と言う災害→洋館での事件と、バヨナ監督の今までのフィルモグラフィーの集積になっているかの内容です。
恐竜大脱走
この映画の見所として最後に挙げたいのは、何と言っても恐竜の脱走シーン。恐竜たちは、火山が噴火する島から脱走し…洋館から脱走し…今回基本逃げてばっかりなんですね笑
前作ではどちらかといえば、その生態系が描かれていましたが、逃げる恐竜たちも圧巻です。
まとめ
前作の『ジュラシック・ワールド』は恐竜映画としてはとても楽しかったですが、人間の行いが…と言う点で少しもやもやしていました。ただ今回の『ジュラシック・ワールド/炎の王国』は、舵を切って「遺伝子操作された生命」を主人公にしているため、とても考えさせられる内容で、しかも恐竜も格好良くて、言うことなしでした!
是非劇場で!