コロナ禍の影響で、多くのビジネスが「休廃業」の危機を迎えています。
映画館、とりわけミニシアターもその一つで、ここ最近で「閉館」を迎えた劇場は少なくありません…。
映画ファンからすると、「コロナ禍でどのくらいの影響が出ているの?」「コロナ禍で閉館してしまった映画館は?」と気になりますよね。
そこで今回は、2020年〜2021年にかけて閉館した映画館を5つを閉館の理由とともにご紹介します。
この1年の振り返り
まず、この1年をすこし振り返ってみましょう。
- 2020年4月〜5月:緊急事態宣言(1回目)
- 2021年1月〜3月:緊急事態宣言(2回目)
- 2021年5月〜:緊急事態宣言(3回目)
ここ1年で緊急事態宣言が3回出され、大手シネコンからミニシアターまですべての映画館が「休館」となった日々が多くありましたね。
また、営業していた期間に関しても、レイトショーなしの時短営業だったり座席数を減らしてのチケット販売だったり、映画館には「いつもとは異なる光景」が広がっていました。
これにより、多くの規模の小さいミニシアターは「閉館」の危機を迎えているのが現状です…。ここからは、残念ながら実際に閉館を迎えた映画館を紹介していきます。
閉館した映画館1.アップリンク渋谷
奥渋谷に位置するミニシアター「アップリンク渋谷」は、2021年5月20日をもって閉館しました。
アップリンク渋谷は、2004年にオープンした世界一小さな映画館「UPLINK X」が2005年に渋谷宇田川街に移転されたことで誕生。15年以上にわたり映画ファンから愛され続けたミニシアターでした。
閉館の理由は、ひとことで言うと「コロナ禍」。劇場の設備や機材が老朽化し、再投資をするべきタイミングでコロナ禍に襲われたことが原因だそうです…。
昨年は助成金、補助金もあり、ぎりぎり生き延びることができましたが、今年はさすがに限界を超える状態で、再投資をしても先が見えない状況となり、閉館という決断を余儀なくされました。
ミニシアターの草分け的存在であったこともあり、危機的状況に追い込まれた際に「見放題パック」や「回数券」などを購入し支援をしたファンも多くいたようです。
ちなみに、アップリンク渋谷は以前「ハラスメント」の問題で話題になったことがありましたが、2020年10月に和解しており、今回の閉館には関係ありません。
現在アップリンクは、「アップリンク吉祥寺」と「アップリンク京都」を拠点に運営しています。
閉館した映画館2.鶴岡まちなかキネマ
鶴岡まちなかキネマは、2020年5月22日をもって閉館となりました。
鶴岡まちなかキネマは、山形県鶴岡市に位置する映画館。2010年に開館されて以来、多くの映画ファンに利用されてきました。
そんな鶴岡まちなかキネマが閉館を迎えた一番の要因は、やはり「新型コロナウイルス」によるもの。「緊急事態宣言」にともない休館したのをきっかけに、他の諸事情も重なり「閉館」することになってしまったようです。
5月には営業を再開し、映画を上映することで、皆様に開館して10年間の感謝の気持ちをお伝えすることが出来ると信じておりましたが、諸般の事情が重なり、再開を断念するという苦渋の決断をいたしました。
引用:最後の御礼
Facebookの投稿には、「大好きな映画館がなくなるのが、ホントに悲しい…」「たくさんの素敵な思い出をありがとう」などのコメントが寄せられています。
閉館した映画館3.ユジク阿佐ヶ谷
阿佐ヶ谷にあるミニシアター「ユジク阿佐ヶ谷」は、2020年12月9日をもって閉館しました。
Twitterの公式アカウントで1万3千人以上のフォロワー数を誇るなど、2015年のオープン以降たくさんの映画ファンから愛されてきた映画館です。
閉館の理由としては、「コロナ禍」や「経営環境の変化」「前支配人の退任」などがあげられています。
ユジク阿佐ヶ谷から閉館のお知らせです pic.twitter.com/Ji6J8HBE6n
— ユジク阿佐ヶ谷 (@yujiku_asagaya) December 9, 2020
経営環境が変化する中での、「コロナ禍」「緊急事態宣言」の影響はかなり大きいものだったことと思います。
Twitterでは、「再開を期待しています!」「また映画を上映できるようになることを願います。」などの声が寄せられています。コロナ禍が過ぎ去ったいつか、再び再開できる日が来ることを祈るばかりです…。
閉館した映画館4.MOVIX利府
松竹マルチプレックスシアターズが運営するシネコン「MOVIX利府」は、2021年の10月31日で閉館しました。
MOVIXといえば全国に数多くの劇場を有する大手シネコンということもあり、閉館のニュースは大きな話題になり、Twitterでトレンド入りもしていましたね。
MOVIX利府が閉館するにあたって、「コロナ禍の影響の大きさを改めて実感した!」という人が多いかも知れませんが、実は閉館の理由は明らかになっていません。
【MOVIX利府 閉館のお知らせ】
MOVIX利府は、2020年10月31日(土)をもって、閉館致します。
2001年3月の開館から約20年、多数のお客様にご来場いただきました。
長年のご愛顧、誠にありがとうございます。
心より感謝致します。10月31日までは通常通り営業を行います。
ご来場お待ちしております!— MOVIX仙台 (@MOVIXSendaiRifu) June 29, 2020
コロナ禍での閉館ということもあり、真っ先にコロナが原因だと思ってしまいますが、建設予定のイオンモール別館に「イオンシネマ」が入るからという噂も…。
というのも、他の映画館では閉館のお知らせ文の中で新型コロナウイルスについて言及していますが、MOVIX利府に関してはそのような文面が見当らないんです。
真相はまだ分からないのですが、もしかしたら新型コロナウイルス以外に閉館の理由があったという説が濃厚かもしれません。
閉館した映画館5.TOHOシネマズ 名古屋ベイシティ
TOHOシネマズ 名古屋ベイシティは、2020年11月30日をもって閉館しました。
TOHOシネマズ株式会社の運営する「TOHOシネマズ 名古屋ベイシティ」(愛知県名古屋市港区品川町2-1-6)は、このたび2020年11月30日をもちまして閉館いたしました。
1999年のオープン以来、約20年間にわたり映画が上映され続けてきた劇場。MOVIXと並ぶ大手シネコンということもあり、閉館のニュースに驚いたという映画ファンは少なくないでしょう。
ただ、TOHOシネマズ 名古屋ベイシティの閉館理由については明らかになっていません…。
コロナ禍の影響がないことはないにしても、直接的な理由だったかどうかは不明です。
ちなみに、愛知県にある残りのTOHOシネマズ4劇場は、今でも変わらず運営されています。
おわりに…
今回は、2020年〜2021年にかけて閉館を迎えた5つの映画館と閉館の理由を紹介しました。
こうして見てみると、コロナ禍が映画館・ミニシアターに及ぼしている影響がかなり大きいことが分かりますね。
すべての映画館がコロナ禍を理由に閉館している訳ではないにしろ、コロナ禍が「閉館」の最後の一押しとなったという劇場は多いのではないかと思います。
一刻でも早くコロナ禍が収束し、皆さんが大好きな映画館・ミニシアターで思い思いのひとときを過ごせる日が戻ることを祈ります…。