映画館で「全席販売」が再開!その条件と世間の反応とは?

みやざわ支配人

2020年9月19日、映画館の人数制限が緩和されたことにより、一部の劇場で「全席販売」が再開しました。

コロナ禍の映画館では、「前後左右の席を空けてのチケット販売」がニューノーマルと化していたので、「もういいの!?」と驚いた方は多いのではないでしょうか?

でも実際には、まだ「全席販売」を再開していない劇場も多くあるんです!「ルールが緩和したのになんで?」と気になりますよね。

そこで、今回は映画館の「全席販売」の内容と条件、そして世間の反応をご紹介します。

近いうちに映画館を利用する予定がある方はもちろん、そうでない方もぜひ参考にしてくださいね!

一部の劇場で「全席販売」が再開!

2020年9月19日より、映画館の人数制限が緩和され、一部の劇場で「全席販売」が再開しました。

みなさんがご存知のように、コロナ禍の映画館では動員数を座席数の50%以下に抑えるために、前後左右の座席を空けてチケットが販売されていました。

そんなコロナ禍ならではのルールが緩和されたことは、劇場にとってもお客さんにとっても嬉しいニュースのはず。でも実際には、全席販売を再開しているのは一部の劇場だけなんです…。

ルール的にはOKなのに、全席販売が全面的にスタートしないのには、再開の条件が深く関係しています。

再開の条件とは?

映画館における全席販売の条件は「シアター内での食事を制限して、ドリンクのみOKにする」というもの。

100%の座席を販売する場合、劇場側は売店の利用とシアター内での食事を制限しなければなりません。

つまり、劇場側は「全席販売を開始して、食事の販売を制限する」か「座席空けを継続し、食事の販売を行う」このどちらかを選ぶ必要があります。

でも実は、映画館にとって「飲食物の販売」は大事な利益源なので、食事の販売を取りやめるというのは簡単な決断ではないんです…。

ルールが緩和されたからといってすべての劇場で「全席販売」をすぐに再開できないのは、「食事の制限」という条件があるからという訳なんですね。

なぜ売店の利用が制限されるの?

ここまで聞いて、「なんで全席販売をすると、食事に制限がかかるの?」と疑問に感じた人もいるかもしれません。

このルールは全興連(全国興行生活衛生同業組合連合会)という、全国の映画館が加盟する団体が新型コロナウイルス感染拡大予防の為に定めたもの。

「映画館の感染防止ガイドラインを作っている偉い団体の取り決めだから」といってしまえばそれまでですが、理由を具体的に説明すると…、

  • 飲食時はマスクを外す必要があるから
  • 売店での接触等、人と接触する機会が増えるから
  • ポップコーンのシェアは感染につながるから

などがあげられます。

つまり、座席を100%販売したうえで、食事を許可してしまうと、コロナ感染防止対策が万全だとは言えなくなってしまうからということになります。

コロナ禍で映画館を「安全な場所」として提供するためには、万全な対策が欠かせません。

全席販売を再開してもなお、安全に利用できるようにするために「食事の制限」が必要なのです。

「全席販売」を再開する劇場一覧

2020年11月現在、「全席販売」をしている劇場は以下の通りです。

  • MOVIX
  • T・ジョイ
  • テアトルシネマ
  • チネチッタ

※今後、変更する可能性もありますのでご注意ください。

たとえば、T・ジョイ系列の「新宿バルト9」は、全席販売の日と座席空けの日を分けて営業していました。

※販売座席数によってシアター内での飲食に制限がございます。

■11/3(火)~11/8(日) 全座席チケット販売(シアター内での食事は禁止※お飲み物はお召し上がりいただけます。)

■11/9(月)~11/12(木) 座席間隔を空けてチケット販売(シアター内での食事可)

引用:新宿バルト9 緊急情報

お客さんは、「全席自由に選べるけど、飲食ができない」「前後左右を空けて座席を購入しなければならないけど、飲食ができる」のどちらか好きな方を選んで利用できます。

また、平日は空席を空けて販売し、休日は全席販売をするなど、曜日によって販売方法をうまく分けている劇場もありますね。

「座席空け」を継続する劇場も…

「食事販売を継続したいから…」ということを理由に、ルールが緩和されてもなお「空席空け」を継続している劇場も数多く存在します。

たとえば、イオンシネマでは、座席の販売方法について1週間単位でアナウンスしており、2020年11月12日現在では「座席を空けて販売し、食事を許可する」という方式を取っています。

11/6(金)~11/12(木)の期間も、全劇場の全作品においてこれを継続いたします。
スクリーン内へのポップコーンやホットドッグなどのフード類の持ち込みも引き続きご利用いただけます。

イオンシネマ 座席の間引き販売について

「座席空け」を継続している劇場では、これまで通り、シアター内での飲食が可能です。

「座席空け」を継続する劇場一覧

前後左右の座席を空けて販売している主な劇場は以下の通りです。

  • TOHOシネマズ
  • イオンシネマ
  • ユナイテッド・シネマ

イオンシネマが1週間単位で、継続の有無を検討しているように、状況は短期間で変化することが予想されます。

詳しくは各劇場の公式ホームページにてご確認ください。

意見が分かれる「全席販売」、世間の反応は?

「座席販売を元に戻すか」「食事の販売を継続するか」という難しい2択に劇場が悩まされている中、世間の人たちはどう考えているのでしょうか?

一部の映画館が全席販売を再開したことについて、ネット上の反応をまとめてみました。

賛成派

「日常が戻ってくれて嬉しい!」「映画業界の復活が嬉しい」という声が多くありました。

確かにコロナでいろいろなことが制限されている中、制限の解除は嬉しいニュースではありますよね。(まだまだ油断は禁物ですが…。)

また、普段から映画を観る際に飲食しない派の人は、「食事の制限」をありがたいと感じているようです。

反対派

ルールが緩和されたとはいえ、コロナの感染が完全になくなった訳ではないので、やっぱりまだちょっと(密や感染リスクが)怖いという声も。

確かに私たちはコロナ禍で、他人との距離感が気になるようになってしまったので、他の人との感覚がないのはちょっと心配ではありますよね。

また、「映画館といえばポップコーン!」のように食事が映画鑑賞の楽しみのひとつな人からすると、「食事禁止」というルールはすごく残念に感じるようです…。

最後に

今回は、9月19日より徐々に再会している映画館の「全席販売」の内容と世間の反応についてご紹介しました。

ルールの緩和にともなって「全席販売」が徐々に再開していますが、当面の間は「飲食の制限あり」という条件付きになりそうです。

映画館の利益を考えると、なかなか厳しいガイドラインにも思えますが、いずれにしてもコロナ以降映画館の客足が遠のいているのは事実…これを機に少しずつでも、以前のように映画館を利用する方が増えれば良いなと思っています。

この記事でご紹介した通り、映画館を利用する際は、劇場を訪れる前に「チケットの販売方法」を確認しておくと安心です。全席販売している劇場に行って「ポップコーンとかを食べながら映画を観たかったのに…」と後悔しないように、事前に確認しておきましょう。

逆に飲食が気になる方は、ドリンクのみOKの劇場を選ぶなど、それぞれのニーズや気分に合わせて劇場を選んでみてくださいね。

 

 




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わたしが書きました。

with Theaterの支配人です。
7年間大手シネコンで劇場マネージャーを務めたのち、デザイン・マーケティングの仕事を経て独立。今でも映画館の仕事は素敵だと思っています。尊敬する人物はジャッキー・チェン。仕事でトム・クルーズに会った時に緊張し過ぎて顔が白くなった経験あり。