映画館で働くということ。〜運営企業編〜

みやざわ支配人

普段あまり見ることの出来ない、映画館を支える社員の仕事に焦点を当てて、その仕事の内容と魅力を紹介してゆく【映画館で働くということ。】。

今回は少し趣向を変えて、『運営企業編』をお届けします。

映画館に就職したいと考えても、いざ行動に移した時に「あれ…この映画館で働くためには、どこの会社の、どの窓口に応募すれば良いんだろう?」と戸惑ってしまう方は多く、実際ぼくも先週この相談を友達から受けたばっかりです。

そんな映画館への就職を目指すあなたのために、今日は各映画館の運営母体である企業をご紹介。書類を準備して、すぐにでも応募出来るよう事前に運営企業を理解しておきましょう。

TOHOシネマズ

 

映画館といえばTOHOシネマズ。という人も多く、都心にも郊外にも劇場を構える業界最大手のTOHOシネマズ

映画館への就職を考える時にも、一番最初に名前が出てくるのではないでしょうか?

そんなTOHOシネマズの運営企業を見ていきましょう。

TOHOシネマズ株式会社

「TOHOシネマズ」の運営会社は『TOHOシネマズ株式会社』です。

もともとは、ヴァージンシネマという映画館を展開していたのですが、東宝が買収し、今のTOHOシネマズが出来たんですね。

TOHOシネマズは、ご存知の方も多いと思いますが、かの有名な”東宝”が100%出資している完全子会社。親会社である東宝が配給する作品を、子会社のTOHOシネマズで上映するというお決まりパターンですね。グッズやパンフレットもそうです。

採用サイト

最近の採用では一般的になっている、企業の採用サイト。

TOHOシネマズでは、この採用サイトを持っており、ここで採用に関する様々な情報を公開しています。

採用条件や募集要項はもちろん、具体的な仕事内容や、実際に働く先輩方のインタビューなど、就職を考えている人に寄り添ったコンテンツが盛りだくさんです。

とはいえ、こういったサイトに記載されいている内容は、多少なりとも脚色されて美化されたものだったりするので、100%鵜呑みにしないようにしてくださいね。

↓映画館の社員の仕事については、こちらの記事も合わせて読んでみてください。↓

映画館で働くということ。〜基礎知識編〜

2018年7月26日

イオンシネマ

続いては、ワーナーマイカルと統合し現在日本No.1の劇場数を誇るイオンシネマ

あのイオングループの映画館という事もあり、色々な面で安心感のある劇場です。

イオンエンターテインメント株式会社

イオンシネマを運営しているのは『イオンエンターテインメント株式会社』です。

この辺りまでは、劇場の名前と運営母体の名前が同じなのでわかりやすいですね。

イオンシネマは、2013年にワーナーマイカルシネマと統合した事で、TOHOシネマズを一気に抜き去り全国劇場数No.1に躍り出ました。この統合は、業界に衝撃が走りましたね。

採用サイト

イオンシネマも当然のように採用サイトを持っています。

シネコンの業界では珍しく、新卒採用に積極的なところは、さすがの一言です。

採用サイトに、人事部からのメッセージとして求める人物像の紹介があったり、キャリアアップをイメージしやすいように、研修制度やキャリアアップの例を紹介しているあたりも、新卒採用をイメージしているのが伺えますね。

MOVIX

次にご紹介するのは松竹系列のMOVIX

「映画って楽し~ね~」のヒッポコブラザーズがイメージキャラクターの、あの映画館です。

株式会社松竹マルチプレックスシアターズ

MOVIXを運営しているのは『株式会社松竹マルチプレックスシアターズ』です。

これまでの、TOHO・イオンと違い、劇場名からは少し連想しづらい会社名ですよね。

この『松竹マルチプレックスシアターズ』は、その名の通り松竹100%出資する、松竹の子会社です。

もともとは、親会社である松竹の社内に興行部という部署があり、そこが映画館を運営する部署だったのですが、興行部門を切り出して『松竹マルチプレックスシアターズ』という、シネコンの運営を専門で行う会社が生まれました。

ちなみに、全国の「ピカデリー」と名のつく映画館も、松竹マルチプレックスシアターズが運営しています。この「ピカデリー」は松竹が直営で運営していた時の名残です。

採用サイト

MOVIXも当然、採用サイトを持っています。

劇場数や、従業員数が数字で見やすく表記されているのが印象的です。また、社員のパーソナルな部分まで紹介しているのが、MOVIXらしいですね。

『松竹マルチプレックスシアターズ』は、親会社である松竹が製作・配給する作品はもちろん、歌舞伎という唯一無二のコンテンツを持っています。そういう意味で、「映画業界全体の売り上げが落ちても生き残っていけるシネコン」と言われています。(本当かどうかはわかりません…)

T・ジョイ

T・ジョイと聞いても、どこの映画館かピンと来ない方が多いかもしれません。

全国の「T・ジョイ●●」と「新宿バルト9」「梅田ブルク7」「鹿児島ミッテ10などが、このT・ジョイの劇場で、劇場ごとにコンセプトが違っていて高級感のある館内のなっているのが特徴です。

株式会社ティ・ジョイ

これらT・ジョイの映画館を運営しているのは『株式会社ティ・ジョイ』です。

これはわかりやすいですね。

T・ジョイは、東映グループの一員ではあるものの、これまでのTOHO・イオン・MOVIXとは違い、100%出資の子会社ではなく、自社で映画を製作・配給を行うこともある。

採用サイト

こちらは「採用サイト」と言うより、採用情報を掲載しているページがある。という表現の方が正しいかもしれません。

社員・アルバイトを募集している劇場が検索出来たり、募集要項が記載されてはいますが、これまであった社員インタビューや、社員の仕事紹介などのコンテンツはないですね。

109シネマズ

近くに劇場がない方には馴染みがないかもしれませんが、全国に19の劇場を持つ109シネマズ」

ポップでカラフルなロゴが印象的な映画館です。

株式会社東急レクリエーション

109シネマズを運営しているのは『株式会社東急レクリエーション』です。

109シネマズという映画館自体は、TOHOやイオン・MOVIXと比べて規模感こそ少し劣りますが、会社としては事業展開も幅広く、とても大きな会社です。

そんな運営母体である東急レクリエーションは、映画館以外にもボウリング場やフットサル場・ホテル・フィットネスジムなど様々な施設を運営している他、不動産の事業も展開する企業です。

また、映画館のグッズ売場で売られているパンフレットやキャラクター商品を製造している事もあり、業界内ではとても有名な企業です。

採用サイト

109シネマズのサイトに「採用情報」はありますが、これは基本的にアルバイト募集のページです。

109シネマズの社員になろうと考えている方は、運営母体である『東急レクリエーション』の”映像事業”に応募する必要があります。

1つだけ気をつけないといけないのは、東急レクリエーションは前述の通り、いくつかの事業展開をしているうちの1つが「シネコン運営」であるという点です。

採用情報を見る限り「総合職」での採用になるので、他のシネコンとは違って、辞令でシネコン運営と関係のない部署に異動する事もあります。

どこまで希望が通るかわかりませんが、面接や内定面談などでシネコンへの熱い思いを語る必要がありそうですね。

ユナイテッド・シネマ

かつて、角川が運営していたシネプレックスを買収し、劇場数を一気に30以上に増やした「ユナイテッド・シネマ」

映画館として「シネプレックス」という名前は今でも残っていますが、運営母体はユナイテッド・シネマと同じになっているので1つの項目にまとめます。

ユナイテッド・シネマ株式会社

ユナイテッド・シネマを運営しているのは『ユナイテッド・シネマ株式会社』です。

これもストレートにわかりやすいですね。

採用サイト

ユナイテッド・シネマにも採用サイトがあります。

内容を見てみると、正社員というよりアルバイト募集の採用サイトなようです。アルバイトの仕事内容や募集セクションの紹介があったり、専用の履歴書がダウンロード出来るので、応募もしやすいですね。

こちらの採用サイト内に、正社員募集の項目もあるので一度チェックしてみましょう。

シネマサンシャイン

 

最後にご紹介するのは、全国に15劇場を展開する「シネマサンシャイン」

シネマサンシャインも、あまり劇場数が多くないので、近くに劇場がない方にとっては馴染みがないかもしれませんね。

佐々木興業株式会社

シネマサンシャインを運営しているのは『佐々木興業株式会社』です。

会社のHPは見当たりませんでしたが、佐々木興業は映画館の運営の他、飲食店の運営も行う企業です。

池袋に会社があり、池袋の映画館といえばシネマサンシャインという印象がありますね。

採用サイト

佐々木興業は、「Jobギア採促」で作られた採用サイトがあります。

こちらもアルバイト採用のページになっているようなので、正社員を考えている方は直接本社への問い合わせが必要かと思います。

DODAやリクルートで社員採用広告は出ているようなので、そちらからの応募も検討しましょう。

最後に

みなさんに馴染みがあると思われる映画館の採用情報について、運営母体となる会社と合わせてご紹介してきました。

運営母体となる会社や、その親会社がわかると、映画が製作・配給されてから映画館で上映されるまでの流れが少し掴めてきます。東宝の映画は面白くて、たくさんのお客様が見に来られるので、TOHOシネマズの成績が良いのも理解出来たり、歌舞伎がMOVIXで上映されているのも理解できたのではないでしょうか。

実際のところ、映画館の社員になる近道は「その映画館でアルバイトすること」です。

ぼくは中途採用で入社したタイプの人間ですが、半分近くはアルバイトから社員になったマネージャーでした。現場の知識が事前に備わっているので、アルバイトから社員になる方がスムーズである事は間違いありません。

とはいえ、「今からアルバイトは…」という方もいらっしゃると思うので、ここでご紹介した会社の採用情報を確認してみてください。

最後になりましたが、ここでご紹介した映画館は全国に劇場を展開するシネコンチェーンです。ほぼ間違いなく転勤があります。これだけは心しておいてください。

色々な理由で転勤が出来ないという方は、いわゆる”地元の映画館”へ社員として就職する事をおすすめします。この”地元の映画館”については、また改めて別の記事でご紹介しますね。

↓「映画館の辛い仕事」については、こちらの記事も合わせて読んでみてください。↓

映画館で働くということ。〜辛い仕事編〜

2020年3月15日




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わたしが書きました。

with Theaterの支配人です。
7年間大手シネコンで劇場マネージャーを務めたのち、デザイン・マーケティングの仕事を経て独立。今でも映画館の仕事は素敵だと思っています。尊敬する人物はジャッキー・チェン。仕事でトム・クルーズに会った時に緊張し過ぎて顔が白くなった経験あり。