MX4Dとか4DXって実際どうなの?知っておきたい4D映画のこと

みやざわ支配人

動く椅子に飛び出す水しぶき。よく映画館に行く人であれば、アトラクション型の映画上映、「4D映画」のCMを映画館内で観たことがあると思います。近年はもう全国の映画館サイトに配備されていて、様々な映画の上映スケジュールも組まれています。

「4D映画」には様々な名称があり、MX4Dや4DXなどがあります。違いって何なの?実際はどうなのでしょう?鑑賞前の注意事項などを踏まえながら、「4D映画」について紹介したいと思います。

4D映画の歴史

まずは4D映画の歴史を振り返りたいと思います。

3Dに続き4D…

2009年に公開された大ヒット作品、『アバター』。この映画が3D映画というジャンルを世に知らしめ、一気に普及していきました。3D映画は読んで字のごとく、通常のスクリーンに投影されるだけ(2D)の映画と違い、立体視することができます。

3Dメガネをかけて映画を映画館で鑑賞するという新しいスタイルが確率したのも、約10年前のことです。通常のスクリーンより大きな、所謂2D映画の正統進化系の「IMAX」もこの頃から出始めました。

最初は「紙」だった

3D映画が隆盛した後、映画会社はさらに新しい鑑賞方法を編み出していきます。「3Dときたら、次は4Dだ!」(どこかの映画会社のお偉いさん)

というわけで、さらに一次元映画鑑賞に追加させようとして最初に登場したのが、「紙」。です。

これ嘘じゃないんです。2011年に公開された、『スパイキッズ4D:ワールド・タイムミッション』という映画で、初の4D映画が実装されました。追加された次元は何かというと、嗅覚、つまり「匂い」です。映画の途中に番号が表示され、入場時に受け取る「紙」の該当番号をこすることで劇中の「匂い」を味わえるという代物。めんどくさい!

シアター全体を改装

「紙」を使い「匂い」という次元を味わう4D映画は鳴かず飛ばず、ただの宣伝文句として使われるくらいで終わりました。ただし、「匂い」というエッセンスは現在の4D映画にも引き継がれています。

冗談のようなお話は置いておいて、実際に今流行っているアトラクション型の4D映画は、2009年には海外で導入されており、日本への導入は2013年頃が初めてとなります。それ以来、数々の映画館が4D専用のシアターに改装を行い、4D映画が通常上映や3D上映と併せて多く公開されることとなりました。

MX4Dと4DXの違い

ではよく聞くMX4Dや4DXって何なのでしょうか。

4DXはユナイテッド・シネマズ

これらの違いは簡単に言えばメーカーの違いです。「4DX」という名称のものは、「ユナイテッド・シネマ」という映画館が取り扱っています。東京ならとしまえんやお台場、大阪であれば枚方などにあります。

あと、3D映画を4Dで上映していますので、基本的には3Dのものが多いです。

MX4DはTOHOシネマズ

「MX4D」という名称のものは、「TOHOシネマズ」が取り扱っている4D映画です。TOHOシネマズ新宿や六本木ヒルズ、大阪ならTOHOシネマズなんばに設置されています。

こちらも基本的には3D映画との併用で、4Dだけの上映は少ないです。

効果の数が違う

ではこれらの違いは何なのでしょうか?まず一つが、「4D」で体験できる効果の数が違います。水しぶきや椅子の揺れなど、様々な効果が用意されているのですが、その数の違いは下記の表参照。

【MX4D(TOHO)】【4DX(ユナイテッド)】
エアーブラスト(風噴射)エアー(風噴射)
ウインド(風)ウインド(風)
ウォーターブラスト(水しぶき)ミスト(水噴射)
ストロボ(5色閃光)ライティング(フラッシュ)
セント(香り)セント(香り)
フォグ(霧)フォグ(霧)
シートホッパー(突き上げ)モーション(椅子の動き)
ランプラー(地響き)スノウ(雪)
ネックティクラー(首元)レインストーム(嵐)
レッグティクラー(足元)バブル(泡)
バックポーカー(背後)

この表を見て頂いたらわかる通り、数ではTOHOシネマズの方が多いのですが、泡や雪など効果の種類で言うとユナイテッド・シネマズのMX4Dの方が多そうですね。

料金が違う

4D映画に関しては、その料金も異なります。TOHOシネマズは通常鑑賞料金+¥1,000〜¥1,200※地域によって異なります(3Dの場合は+¥400)、ユナイテッド・シネマズの場合は通常鑑賞料金+¥1,000(3Dの場合は+¥400)となります。

TOHOシネマズの方が、少し割高になっていますね。ただ通常鑑賞料金に対してプラスされる値段ですので、例えば一般の人の場合だと、¥1,800+¥1,200+¥400でひとりあたり、最大¥3,400にもなります。

なるべく鑑賞料金を抑える方法はこちらの記事で紹介しています。

映画をお得に観る方法5選!映画通が毎回の映画観賞をお得にします

2018年4月6日

さすがに倍近く料金がかかってしまう4D映画。その実際の体験、面白さってどのくらいなんでしょう?

飲み物など、鑑賞前に気をつけること

 

各社のアナウンスをまとめてみました。

ユナイテッド・シネマズ4D映画の注意事項

・安全の為、身長100cm未満の方は4DXをご利用いただけません。
また120cm以下のお子様は保護者の方と一緒にお楽しみください。

・妊娠中の方、ご年配の方、車いすの方、心臓・首などに障がいのある方、
身体・精神的に敏感な方、車酔いしやすい方は4DXをご利用いただけません。
上映中、気分が悪くなった場合は劇場スタッフまでお知らせください。

・貴重品や壊れやすいものはしっかりとお手元かスクリーン外に設置の専用ロッカーをご利用ください。
専用ロッカーをご利用の際は、ロッカーに記載の注意事項をご確認ください。
お客様の所持品が紛失・破損等した場合、保証はいたしかねますのでご了承ください。

・上映中、座席が激しく動きます。ご飲食の際はご注意をお願いします。
飲食物がこぼれて衣服が汚れたり、ホットドリンクでやけどなどが起こった場合や、
上記に起因するお客様同士のトラブルには責任を負いかねますのでご了承ください。
尚、他店からの飲食物のお持込はご遠慮いただいております。劇場売店をご利用ください。

・お子様の安全の為、チャイルドシートのご使用や、
お子様をひざの上に座らせての鑑賞は禁止させていただきます。

・安全の為、座席の上に立ったり、上映中に席を離れ歩くなどの行為はご遠慮ください。

・上映中、水が顔や衣類、飲食物などにかかる場合がございますのでご了承ください。
水の出る演出は肘掛のスイッチ(右手側)でON/OFFを切り替えることができます。
※嵐(ストーム)効果については劇場全体の演出効果のため、お手元のスイッチでは止める事ができません。また、座席により効果に差が出る場合がございます。詳しくは劇場スタッフまでお問い合わせください。

引用:ユナイテッド・シネマズ4DXご鑑賞にあたってのご注意

こちらが4DX、ユナイテッド・シネマズの4D映画の鑑賞注意事項です。身長制限などがありますね。

TOHOシネマズ4D映画の注意事項

・身長が100cm未満の方は、ご入場いただけません。

・チャイルドシートはご利用いただけません。

・お子様を膝の上に座らせての鑑賞はご遠慮ください。

・妊娠中の方、体調のすぐれない方、車いすをご利用の方、心臓・背中・腰・首などに障がいのある方、泥酔している方は、専用シートでご鑑賞いただけません。

・膝の上に置けない荷物や傘は、スクリーン内にお持ち込いただけません。ロッカーや傘立てをご利用ください。

・飲食売店でお渡しする座席用トレーはスクリーン内でご利用いただけません。

所持品が紛失・破損等した場合、当館では如何なる場合でも保障いたしかねますのでご了承ください。

・上映中にお座席を立たれる場合やフォークやスプーンを使用する商品をお召し上がりになる際は、十分ご注意ください。

・座席の上に立ったり、座席と床の間に手を入れるなどの危険な行為はご遠慮ください。

・飲食におけるこぼれや汚れ、怪我があった場合、特殊効果による衣服の濡れ、身体に不調をきたした場合など、当館では責任を負いかねますのでご了承ください。

・上映中に水しぶきが顔や目にかかる場合がございますので、予めご了承ください。

引用:TOHOシネマズMX4Dご鑑賞にあたっての注意事項

こちらはMX4D、TOHOシネマズの4D映画の鑑賞注意事項です。ユナイテッド・シネマズと違い「120cm未満のお子様は保護者と一緒に鑑賞」という制限はないみたいですね。

アトラクションという認識

両社の注意事項をまとめると、子供との鑑賞は注意が必要、飲食物の持ち込みも注意が必要、手荷物は専用ロッカーに預ける、など、映画というよりも遊園地のアトラクションに近い注意喚起が行われています。

特に飲食物ですが、激しく椅子が揺れるため、ホットの飲み物は結構危ないです。

酔う人は酔うかも

これらの注意事項に書かれていないこととして、乗り物酔いする方は結構酔うかもしれません。しかも、4D上映の多くは併せて3D映画としても上映されているため、3Dメガネをかけたまま椅子が激しく動きます

体調が悪い時に車酔いする程度の僕は大丈夫でしたが、乗り物が苦手な方や、そもそも3D酔いする方は慎重に鑑賞した方がいいかもしれません。

実際どうなの?体験レビュー

 

ここからはあくまでも個人的な感想です。

体験して思ったこと

僕がTOHOシネマズの4D映画、MX4Dで鑑賞したのは、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でした。そして、これが最初で最後の4D上映の経験となりました。

正直なことを言うと、映画館に求めているのはアトラクションのような物理的な体験ではなく、もっと内面的なものです。例えば今公開されている映画を、映画館で不特定多数の人たちと鑑賞して、それが一生の思い出になる…など。

映画の内容ありきの映画館での鑑賞だと思うので、僕はあまり好きにはなれませんでした。

アトラクションです

前述のように、映画を鑑賞すると言うよりも、アトラクションを体験するという娯楽に近かったです。もし、4D映画を観ようと悩んでいる場合、一度2Dか通常の3D上映で映画を観て、中身を把握してからの方がいいかもしれません。

4D映画ですと、効果や椅子の揺れから、映画の中身にほとんど集中できません。それに、最近の3D映画は3Dを意識したカメラワークやシーンが意識的に取り入れられていますが、4Dを意識した映画というのはまだあまりありません。あくまでも付加的に追加されている程度です。

この辺、以前の3D映画と同じで、2Dで撮影した映画を無理くり3D処理して3Dで上映するという、作り手の無意識なところで処理が施されています。その証拠に同じ映画でもTOHOシネマズとユナイテッド・シネマズで効果の種類が違いますしね。

ひとまず体験を

とは言いつつ、好きな作品で映画の中の主人公と似た体験ができるという点は非常に面白くなっているので、ひとまず体験してみるのもありかなと思います。

月に一本以上、4D映画の新作は公開されていますので、是非映画館で体験してみてください。




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わたしが書きました。

with Theaterの支配人です。
7年間大手シネコンで劇場マネージャーを務めたのち、デザイン・マーケティングの仕事を経て独立。今でも映画館の仕事は素敵だと思っています。尊敬する人物はジャッキー・チェン。仕事でトム・クルーズに会った時に緊張し過ぎて顔が白くなった経験あり。