前知識無しでも楽しめる!『スパイダーマン:スパイダーバース』ネタバレあり感想・解説

『スタン・リー、スティーブ・ディッコ、ありがとう。僕たちは一人じゃないと教えてくれて』
by 『スパイダーマン:スパイダーバース』制作チーム

全世界で記録的なヒットを打ち立て、2019年のアカデミー賞の長編アニメーション部門を受賞した『スパイダーマン:スパイダーバース』。日本にもMARVELなどのアメコミ作品が凄い勢いで浸透してきていますが、スパイダーマンはその中でも最も身近な存在です。そんなスパイダーマン最新シリーズ、『スパイダーマン:スパイダーバース』の解説と、ネタバレを含む感想です!

『スパイダーマン:スパイダーバース』について

まずはストーリーや入プレ情報など、作品の外側に関してです。

ストーリー

NYの進学校に通うマイルズは、グラフィティアートを趣味にしているが、自分の本当にやりたいことを、成すべきことを見出せずにいる。そんな中、NYのヒーローである”親愛なる隣人”、スパイダーマンがヴィランであるキングピンとの戦いの中命を落とす。たまたま現場に居合わせたマイルズは、彼の死を目の当たりにし、彼に代わるヒーローとなる決意をする。

割引・入場者プレゼント

『スパイダーマン:スパイダーバース』には割引や入場者プレゼントがありますので。特に入場者プレゼントは毎週変わるので、リピートして全種類ゲットしましょう!

前売り券あり(ムビチケ)
サービスデイ等劇場による
入場者特典公開日より3週連続(ポストカード3種)

入り具合

公開初日夜の回に行ってきましたが、ほぼ満席状態。観客層は若い方やマーベルファンが圧倒的に多い印象でした。驚いたのは女性の一人客が結構多かったこと!流石に日本でも知名度のあるスパイダーマンです。一人で観に行きたいけど、踏ん切りがつかない方はこちらの記事を参考に。

ひとり映画はこんなにも素晴らしい!映画館側の印象と、実際の感想

2018.06.05

混雑予想と上映終了予測

『スパイダーマン:スパイダーバース』の混雑予測を元に買ったチケット

続いて今後の混雑予想と上映終了日の予測です。

混雑予想

公開日から3週間は、週替わりの入場者プレゼントがあるため、満席とまではいかなくても座席の半数は埋まりそうです。特に週末の夜の時間帯は初見からリピーターまで多く入りそうです。

上映終了までの期間予測

続いて上映終了までの期間ですが、アメコミ映画は平均して1ヶ月半くらい公開されています。『スパイダーマン:スパイダーバース』はアニメ作品という特異な立ち位置ですが、アカデミー賞を受賞していることや、今後の公開作品に同じMARVELの『キャプテン・マーベル』や『アベンジャーズ:エンドゲーム』が控えているため、この先1ヶ月半は公開されていると思います。

『スパイダーマン:スパイダーバース』を楽しむために

スパイダーバースを楽しむスパイダーマン

それでは作品の内部に触れていきます。『スパイダーマン:スパイダーバース』を楽しむために知っておきたいことを挙げていきます。

今までの作品との関係は?

スパイダーマンといえば、サム・ライミ監督が映像化したトビー・マグワイヤ主演の『スパイダーマン』『スパイダーマン2』『スパイダーマン3』が日本でもテレビ放映されていたりと人気でした。その後、主役と監督が交代になりリブートされ、マーク・ウェブ監督、アンドリュー・ガーフィールド主演、ヒロインにエマ・ストーンを抜擢した『アメイジング・スパイダーマン』『アメイジング・スパイダーマン2』が公開されました。しかしこのリブート作は第二弾で打ち切り。

ここまではソニー傘下のコロンビア映画が配給を行ない、映画化権もコロンビア映画が所持していたため、配給元の異なる『アイアンマン』や『アベンジャーズ』などの一連のマーベル・シネマティック・ユニバースとの絡みは一切ありませんでした。しかし、『キャプテン・アメリカ:シビル・ウォー』を皮切りに、ソニー・・ピクチャーズとマーベル・スタジオがパートナーシップを結び、マーベル・シネマティック・ユニバースに合流するかたちで『スパイダーマン:ホームカミング』が新たにリブート作として公開されました。

しかし本作は、これらの実写スパイダーマンとは関連性の無い映画となっています。もちろん、原作は同じくスパイダーマンですので、登場人物の名前や設定などは全てそのままです。ある意味時代を超えて語り継がれるおとぎ話の一つのようになってきましたね。過去作と関係は無いにしろ、過去作を観ていないとわからない小ネタなどが満載のため、是非この機会に観直してみてください。

押さえておきたい二人の人物

『スパイダーマン:スパイダーバース』を観るにあたって、押さえておきたい二人の人物がいます。これは映画に登場するキャラクターではないのですが(一名はカメオ出演)、MARVELの立役者とも言える、スタン・リーとスティーブ・ディッコです。スタン・リーは言わずもがな知っている方は多いと思います。MARVELの編集者やスパイダーマンやその他のヒーローの原作者でもあり、MARVELというブランドの顔となることでスーパーヒーローの世界を広めてきました。

スティーブ・ディッコも同じくMARVELにて、作画を担当していました。スパイダーマンは、彼とスタン・リーによって生み出されたのですが、その後スタン・リーとの仲は悪くなったと伝えられていますが、この二人が世にスパイダーマンを生み出したことは紛いも無い事実です。

奇しくも2018年、このMARVELを支えた二人は同年に亡くなりました。彼らが生み出し、今や世界中から高い評価を得ている『スパイダーマン:スパイダーバース』の公開に立ち会うことのないまま。この映画は、制作スタッフから彼らに捧げられている映画なのです。

日本でも映像化された過去

スパイダーマンと言えば、”アメリカのヒーロー”という印象が強いですが、実は日本でも実写映像化されていたのです。東映が制作したこの日本版『スパイダーマン』は、謎の名乗り口上(数年前ニコニコ動画などで有名に)と共に現れ、巨大ロボ「レオパルドン」を操縦するなど、原作とは違いかなりオリジナリティ溢れるものになっていました。しかしこの巨大ロボの設定などは、その後スーパー戦隊シリーズなどに引き継がれていきました。

そんな小ネタも、実はこの『スパイダーマン:スパイダーバース』に登場しているので、是非チェックしてみてください。

『スパイダーマン:スパイダーバース』感想※ネタバレあり

ではここから感想に入ります。※これ以降、ネタバレがあるのでご注意ください。

一人の少年のヒーローズジャーニー

『スパイダーマン:スパイダーバース』に登場する主人公、マイルス・モラレスは放射能を浴びた蜘蛛に噛まれることによってスパイダーマンとしての力を得ます。そんな彼の父との軋轢(愛情が過ぎて束縛気味)や、叔父アーロンとの仲に焦点を当てながら、物語は進んでいきます。(ちなみに、『スパイダーマン:ホームカミング』ではドナルド・グローヴァーがちょい役として本作の叔父であるアーロン・デイヴィスとして登場。甥っ子がいる発言をスパイダーマンとの間でしていた)

彼はスパイダーマンになった自覚も無いまま、目の前でピーター・パーカーを失います。ウェブ・シューターも制御できず、壁にも上手く貼り付けない彼を助けるのは別の世界のスパイダーマンたち。マイルスは一人ではなく、様々なスパイダーマンに助けられます。

この一連のシーケンスを観て思い出す言葉は、この記事の上部にある言葉です。これは、映画の最後にクレジットされる、制作チームから亡くなったスタン・リーとスティーブ・ディッコに送られた言葉です。

『スタン・リー、スティーブ・ディッコ、ありがとう。僕たちは一人じゃないと教えてくれて』

マイルスも一人ではなく、多次元のスパイダーマン達に支えられてヒーローとしての自覚が芽生えていきます。これは制作チームの一人一人が昔からスパイダーマンの熱心なファンであり、スパイダーマンや他のアメコミヒーローに人生を救われてきたからこそ、「僕たちは一人じゃない」という言葉がでてきたのではないでしょうか。

好きな映画や音楽を心のどこかに持っている人にはわかると思います。それが心の支えになったり、孤独なときに救ってくれることを。

色々な思いが詰まった作品

さらに、スタン・リーは全てのMARVEL作品にカメオ出演してきましたが、この『スパイダーマン:スパイダーバース』も例外ではありません。スタンは劇中、スパイダーマンことピーター・パーカーの訃報ニュースがNY中を駆け巡るときに出演します。失意のマイルスがおもちゃのスパイダースーツを買うときにレジ係として出演しているのですが、スタン・リーはこういったセリフを口にします。

「寂しくなるな」

もちろんこれは劇中で亡くなったスパイダーマンに対して出た言葉なのですが、スタン・リーが亡くなったいま、この言葉はファン達への別れの言葉のように捉えられます。胡散臭い言葉にはなりますが、こういったタイミングで出た奇跡のような作品が、『スパイダーマン:スパイダーバース』なのです。

アニメだから、漫画だからはもう古い

『スパイダーマン:スパイダーバース』は実写のスパイダーマンでは表現できなかったアニメならではの表現が多くあります。そのどれもがオシャレで、アガりまくる演出で、詳しく一コマづつ観たい!と感じこと間違いありません。

もともとアメコミと言えばバカでかい効果音や、一コマが書き込まれたケレン味溢れるものでした。それが見事にアニメーションで再現されていて、なおかつ新しい!他の世界のスパイダーマンたちが登場し、彼らは一人一人絵のタッチが違うのですが、映画の中では決して浮くことがなく、見事に馴染んでいました。そういう寛容というか、なんでも飲み込んでなおかつ本筋の味が損なわれない素晴らしいアニメーション映画です。

アニメだから、漫画だからと小馬鹿にせず、是非劇場でチェックしてみてください!

ラストの映像の意味

さて、MARVEL伝統のエンドクレジット後の映像も今回の『スパイダーマン:スパイダーバース』にはついています。スパイダーマン2099というまた別次元のスパイダーマン(ミゲル・オハラ)が登場し、マルチバース(多次元)の崩壊が食い止められたことに安堵します。

これも実際の原作に登場する別次元のスパイダーマンで、彼が1967年から放送されたスパイダーマンのアニメの世界に飛びます。そこで当時のスパイダーマンと言い合いになりますが、これも当時のアニメのシナリオ通りの展開です(絵はスパイダーマン2099になってる)。

つまりこれらはスパイダーマン・マルチバースネタの最後の締めなのです。ただ、これだけヒットすれば続編の可能性はかなり高いので、要チェックですね!






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PROFILEわたしが書きました。

いとうMgr.

某大手シネコンにて、アルバイトスタッフとして4年間勤務して、喜びも悲しみも味わった男性。
映写技師からポップコーンの販売まで、4年間勤めてみればアルバイトのほとんどをこなせるようになっていた。好きな映画はエドガー・ライト作品。大手シネコンではエドガー・ライト作品は中々上映されず、当時は憤りを抱いていた。