「最近、子育てばっかりで映画館なんて行ってない。」
「観たい映画はあるけど、DVD出るまで待つしかない。」
ちょうど先日、子育て中の友達と出かけている時に、こんなセリフを聞きました。各シネコンでは子連れのパパ・ママに向けた上映会を企画しているのに、お客様には知られていないんだなぁと実感しました。
今日は、そんな意外と知られていない「子連れママ向け上映会」についてご紹介します。
子育て中の皆さん!小さいお子様がいるからといって、観たい映画を諦めないでください!全国の映画館では、そんな皆さんに映画を観てもらうための上映会を実施していますよ!
各映画館のママ向け上映会
まずは、全国の映画館がどんな上映会を開催しているのか、ご存知ない方のために一覧で見てみましょう。
TOHOシネマズ | ママズクラブシアター |
MOVIX | ほっとママシネマ |
109シネマズ | ふれあいシネマ |
ユナイテッド・シネマ | 抱っこ de シネマ |
シネマイクスピアリ | ウィズキッズシネマ |
意外と知られていない「子連れママ向け上映会」は、こんなにもたくさんあります!
いくつかを除いて、だいたい大手と言われるシネコンでは導入されており、シネコンによってネーミングは違うものの、どれも共通して”赤ちゃんにもママにも優しい環境”で上映を行なっています。
「ママ向け上映会」に限らず、似たような内容のイベント・企画上映でも、それぞれの映画館の特色が出るものです。
映画館を選ぶ理由の大半は”立地”と言われていますが、近くにある映画館が「ママ向け上映会」を開催していない事もあると思うので、ぜひ参考にしてお子様と一緒に映画館へ出かけてみてくださいね。
TOHOシネマズ『ママズクラブシアター』
まずは、TOHOシネマズの『ママズクラブシアター』。
『ママズクラブシアター』というタイトルと、ロゴの感じから「あぁ、TOHOだなぁ」とぼくなんかは感じます。少し大人っぽいイメージですよね。
それでは内容を見ていきましょう。
公式アナウンス
★子育てに大変なママの皆様へ!
小さなお子様がいらっしゃるママ&パパに大好評の「ママズクラブシアター」。
赤ちゃんが泣いても、おしゃべりしてもお互いさま。赤ちゃんと一緒に気兼ねなく映画を楽しみにいらしてください。赤ちゃんに優しい環境でお待ちしています。
★ママズクラブシアター(R)とは?
出産して以来、映画館に行ったことがない。赤ちゃん連れでも映画を楽しみたい。
そんなママのご希望にお応えし、赤ちゃん連れでも周囲に気兼ねする事なく上映、それが「ママズクラブシアター」。
まさしく、子連れのママ向け上映会といった内容ですね。
具体的な内容
- 他のお客様にご迷惑をかけないよう、お母さん同士のおしゃべりは音量オフ。
- 空調の設定は赤ちゃんに合わせる。
- 小さなお子様も安心のチャイルドシートを用意。
- 照明は通常よりも明るめの設定。
- 上映中に赤ちゃんが泣き出しちゃってもOK。
「ママズクラブシアター」の特徴をピックアップすると、こんなところでしょうか。
これからご紹介する他の映画館とも共通していますが、やはり「明るめの照明」「赤ちゃんが泣いてもOK」という点がママさんには一番嬉しいところですかね。
また、公式ページではその告知がありませんが、ベビーカーを預けられる専用の場所が設置されたり、通常より音量を小さめに上映したりと、赤ちゃんにもママにも優しい環境でお迎えしてくれるようです。
MOVIX『ほっとママシネマ』
続いては、MOVIXの『ほっとママシネマ』です。
こちらもネーミングや、キービジュアルからMOVIXらしさを感じる上映会ですね。温かみを感じます。
公式アナウンス
日々子育てを頑張っているママへ、小さなお子様と一緒に気兼ねなく「映画」を楽しんでもらおうと、松竹マルチプレックスシアターズが独自開発した女性のための映画上映です。
公式のアナウンスはシンプルな内容になっていますが、【ママ1人につき補助席1席付き】という嬉しい特典があります。
つまり、1つ隣の席を自由に使えるという事ですね。何かと荷物が多くなってしまうママさんには嬉しい特典ですよね。また、【通常:1,500円 / 会員価格:1,200円】と通常よりも安い料金設定になっているのも良心的です。
具体的な内容
- スクリーン前にお子様の為のプレイスポットを設置。
- 赤ちゃんが驚かないように、音量は通常より控えめに設定。
- 赤ちゃんが怖がらないように、場内照明は通常より明るめに設定。
- シアター内におむつ替えスペース・簡易授乳スペースをご用意。
- 上映中はシアター内に見守りスタッフが常駐。
もう、至れり尽くせりですね。
MOVIXらしい優しい企画内容になっています。最大の特徴は「お子様専用のプレイスポット」でしょうか。こういうのがあるだけで、ママさんも少し安心ですよね。万が一に備えて、おむつ替えスペースや授乳スペースがあるのも素敵です。
TOHOシネマズの『ママズクラブシアター』と同様に、当日はベビーカーを預ける専用スペースも設置されるみたいです。
109シネマズ『ふれあいシネマ』
次は、109シネマズが行なっている『ふれあいシネマ』。
オリジナルのキャラクターもいて、可愛らしいテイストにしてあります。
公式アナウンス
小さなお子様とそのお連れ様専用の上映会です。
お子様とお連れ様が安心して映画をお楽しみ頂けるよう、照明・音響などに配慮し上映を行います♪
上映中はシアター内に女性スタッフが常駐しておりますので、お気軽にお声掛けください!!
もはや定番といった内容ですが、赤ちゃんとママさんに嬉しい内容ですね。
具体的な内容
- プレイスペース・オムツ替え台を設置。
- 通常よりも明るめの照明。
- 音量も、通常よりも控えめに設定。
- 上映中は、女性スタッフがシアター内に常駐。
公式サイトでは、あまり具体的な内容の紹介がありませんが、『ふれあいシネマ』の特徴はこんな感じですね。
『ママズクラブシアター』や『ほっとママシネマ』同様に、音量・照明は赤ちゃんに優しく設定されており、プレイスペースやオムツ替え台も設置されるみたいです。
やはり、こういった設備はママさんからのニーズが多いんでしょうね。
ユナイテッド・シネマ『抱っこ de シネマ』
次はユナイテッド・シネマの『抱っこ de シネマ』です。
“がんばるママ&パパに、もっと映画を”というキャッチコピーがわかりやすいですね!
公式アナウンス
映画が好きだけど小さい子供がいるから、観たい映画もなかなか観に行けないママやパパのための上映会です。
こちらもシンプルな説明です。具体的な中身を見ていきましょう。
具体的な内容
- 照明は普段よりも明るく設定。上映中の移動にも不安がありません。
- 通常上映よりも音量を小さくしています。赤ちゃんがびっくりしないくらいの音量です。
- 赤ちゃんが上映中に泣き出しても大丈夫。優しくあやしながら映画をお楽しみください。
- 上映中はベビーカーをお預かりいたします。
『抱っこ de シネマ』のページには、上記の通りとてもわかりやすい表現で、その内容を紹介されていました。
そして、これまでのママ向け上映会の中で、初めて「ベビーカーを預かります」というのがしっかり告知されています。
シネマイクスピアリ『ウィズキッズシネマ』
最後は、シネマイクスピアリの『ウィズキッズシネマ』。
ちょっとファンタジー感のあるビジュアルに仕上がっていて、ここにもやっぱりイクスピアリらしさが出ていますよね。
公式アナウンス
小さなお子さまのシネマデビューを応援する特別企画「ウィズキッズシネマ」。 普段なかなか映画館に足を運べないお母さま、お父さまもこの機会に気兼ねなくお子さまと一緒に映画をお楽しみください!
「パパ・ママ」ではなく、「お母さま・お父さま」と表現しているところ、さすがです。
具体的な内容
- 未就学のお子さま連れのお客さまのみご入場いただけます。
- 当日は館内に劇場キャストが常駐し、安全で快適な鑑賞環境をご提供します。
- 空調や照明、音響をお子さま向けに調整します。
- ベビーカー置き場や、おむつ交換用のスペースもご用意しています。
内容は他の「ママ向け上映会」と変わらないのですが、表現が上品ですよね。
もちろん、実際はママが中心の上映会になっているのだとは思いますが、あまり”ママ”に特化した表現を使っておらず、パパも行きやすい告知内容になっています。このあたりの考え方は、他の映画館より1歩進んでいるなぁという印象です。
その他のママ向け上映会
映画館をよく利用される方なら、ここまで読んで頂いて少し違和感を感じているかもしれません。
そうです。劇場数No.1のイオンシネマが入っていません。そして、劇場ごとに違ったコンセプトを持つT・ジョイの劇場も入っていないんです。
これらの映画館は、「ママ向け上映会」を実施していないわけではありません。少しその内容に触れておきましょう。
イオンシネマの場合
まず最初にご紹介しておきたいのは、イオンシネマ常滑に日本で初めて導入された”遊べる映画館”『げんきッズシアター』。
シアター内はこれまでの映画館の常識を覆す、カラフルでPOPな内装を施しました。ビビッドなカーペットに、壁面はイエロー・ピンク等のアクセントカラーで彩り、カラフルな遊具とのマッチングを図っています。
お子さまが走り回っても安心な、ゆったりとした空間に、席数は43席。カラフルなお子さま専用シートはやわらかなクッションタイプを採用。シアター全体が遊園地のような楽しさでシネマタイムを盛り上げます。
ご覧の通りですが、シアター内に遊具が設置され、座席も子供向けなものでカラフルです。
他の劇場と比べて、少し違った視点での上映会…と言うよりシアターそのものですね。これからどれくらいの規模で展開していくのかわかりませんが、子供たちが映画館に行きたくなるような仕掛けである事は間違いないですね。
そして、イオンシネマは『ウィズキッズシアター』という、他のシネコンが行っているような「子連れママ向け上映会」を実施している(はずな)のですが、公式サイトをはじめ、その情報はどこにも見当たりません…どういった意図があるのかは不明ですが、「うちの近くの映画館がイオンシネマだよー」という方は、一度お問い合わせしてみてください。
どうやら、問い合わせれば情報を教えてもらえるようです…(今の時代、そんな事あるんでしょうか…)
T・ジョイPRINCE品川の場合
T・ジョイPRINCE品川のロビー内には「だっこルーム」という託児ルームが併設されており、映画の鑑賞中お子様を預けておく事ができます。
他のシネコンと比べると、「ママ向けの専用上映会」というわけではありませんが、少なくとも子育て中でも映画が見たい!というご要望にはお応え出来ているかと思います。
そして、何より「ママ向け上映会」は劇場にとっては1つのイベントです。運営に、それなりの時間と人が結構必要になってしまうという事情もあるので、こういった託児ルームを併設する事も、劇場運営の視点から考えると賢い洗濯なのかもしれません。
最後に
各シネコンで開催されている「ママ向け上映会」についてご紹介してきました。
ここでご紹介したのは、あくまでも定例で開催されている上映会です。探せば、きっとイベント等でママ向け・パパ向けに映画を上映するイベントはあると思います。
そういった地元のイベント情報なども、少し気にしてみてください。
そして最後に、劇場運営の視点からのお話を1つ。
こういった「ママ向け上映会」は2012年頃から頻繁に開催されるようになりました。背景としては、やはり映画館への客足が遠のいている点にあります。
もちろん、ぼくもこういった上映会を準備して、お客様をご案内して…と運営を一通りやってきましたが、準備にめちゃくちゃ時間が掛かります。
前日のレイトショーが終わった夜中にシアター内の準備をして、替えのオムツやウェットティッシュ・タオルなども用意して、朝になったらポットにお湯を準備して…赤ちゃんが舐めても大丈夫なように、全てアルコール除菌して…
もちろん当然の事ですし、これをやらないで「ママ向け上映会」なんて出来ないんですが、せっかくなら1人でも多くのお客様に来て頂きたいものです。
こういった上映会がある事を知って頂いただけでも前進だと思いますので、子育て中の方も、これから子育てが始まる方も、小さいお子様がいるからといって観たい映画を諦めず、ぜひ映画館へ足を運んでほしいなと思います。