シネコンの老舗と言われるMOVIXについて

『映画って楽しいね〜♪だからシネマって言うのかな〜♪』この歌、聞いたことある方多いんじゃないでしょうか?MOVIXで以前、上映前に流れていた音楽です。この記事では、日本でシネコンの先駆けとなった映画館、MOVIXについてご紹介します。

はじめに〜日本の映画市場〜

今や日本全国に星の数ほどある映画館。小さいミニシアターと呼ばれる映画館から、大型商業施設に入っている映画館まで。今現在、全国合計約680劇場あると言われています。

“家族みんなで楽しめる””一人でも楽しめる”。そんな商業施設が、日本に約680もあるんですね。ちなみにアメリカは約5,600件。勿論、国土も人口も違うので比較にはなりませんが、日本の約2倍の面積があるフランスに劇場は約2,000件あるそうです。

さて、劇場について触れる前に、切っても切り離せない映画市場についてのお話をします。日本の映画市場は、各国のそれと比較してどうなっているのかといえば、以下の通りになります。

映画入場者数ランキング

1位 インド
2位 中国
3位 アメリカ

10位 日本

出典:世界の映画入場者数 国別ランキング・推移

 

映画製作本数ランキング

1位 インド
2位 ナイジェリア
3位 アメリカ

5位 日本

出典:世界の映画製作本数 国別ランキング・推移

 

映画市場規模ランキング(興行収入が多い順)

1位 アメリカ
2位 中国
3位 イギリス

4位 日本

出典:世界の映画市場規模 国別ランキング・推移

意外ですよね。入場者数は世界で見れば少ない方なのに、市場規模は大きい。これはつまり映画鑑賞の単価が高いことになります。各ランキングを見れば、日本はトップ3にも入っていない状況です。

何が言いたいかというと、入場者数が増えれば、興行収入も上がり、製作費も上がり、良質な映画が増え、いいサイクルになる。つまり映画市場の土台は全て劇場にあるのです。

では今日本に約680劇場ありますが、その1割を占めているMOVIXを紹介していこうと思います。カラフルなロゴに、朱色をあしらったカーペットで高級感溢れる劇場内。シネコンの老舗と言われる、そんなMOVIXの魅力について書いていきます。

運営母体は松竹

 松竹って、皆さん聞いたことのある会社名ですよね。正式名称が、松竹株式会社。創設は1920年。帝国活動写真株式会社という名前で生まれました。事業内容は映画事業や演劇事業を行っています。

よゐこやTKOなど松竹所属の芸人さんがいたり、歌舞伎座、南座、大阪松竹座など聞いたこともあると思いますが、あれらは全て松竹の傘下の劇場で、そこでの興行や製作をしており、歌舞伎界でも独占状態です。

今回は、松竹の運営する映画館について情報を整理していこうと思います。運営形態が様々なので、順番に説明していきましょう。

松竹マルチプレックスシアターズ

  • MOVIX各館
  • 丸の内ピカデリー(3スクリーン)
  • 東劇
  • 新宿ピカデリー(10スクリーン)
  • MOVIX京都
  • 神戸国際松竹

2011年3月までは、MOVIX各館以外の劇場は松竹が直接運営していました。しかし、それ以降、映画興行部門を子会社である松竹マルチプレックスシアターズ(SMT)に譲渡したため、今では上記全てが子会社の運営となっています。MOVIXブランドの劇場は全国に21か所あります。今回は、このMOVIXにスポットライトを当てていきたいと思います。

その前に、もう一つ。意外なところも運営していますというのがあります。下記の通り

共同運営

  • 札幌シネマフロンティア
  • 横浜ブルク13
  • ミッドランドスクエアシネマ
  • なんばパークスシネマ
  • 大阪ステーションシネマ

これらは、保有するスクリーンの一部が松竹のものとなっています。なんばパークスとか大阪ステーションシネマなんかは意外ですね。ただ、ポイントカードなどの運営方式は各劇場に準じています。

ちなみに冒頭でシネコンの老舗、と書きましたが、MOVIXの運営母体である松竹マルチプレックスシアターズ(以下SMT)はシネコン、と言われる今では一般的になっている1劇場に複数のスクリーンがある劇場形態をいち早く取り入れています。

SMT自体の設立は1996年で、1号店であるMOVIX六甲は1997年にオープンしました(2010年閉館!)そこから東北から中国地方まで施設数を増やし、今では全国21劇場、約300スクリーンと、日本を代表するシネコンになりました。

MOVIXの特徴やコンセプト

さて、そんな全国指折りのシネコンであるMOVIXですが、他のシネコンや劇場に比べてどういう特徴があるのでしょうか?

音にこだわりがある

これは実体験からお話しした方がイメージがつきやすいかと思います。MOVIX八尾で園子温監督の『地獄でなぜ悪い』を鑑賞した際、何と体に響く爆音上映。なんか特別な企画かな?と思ったらそうでもなく、これがスタンダードみたいです。ただ、静かな作品は静かで、音を感じる作品はしっかりといい音を出していました。試写の段階でしっかりと作品ごとに音量調整をしているので、映画ファンにはたまりませんね。

顧客満足度1位

経済専門誌である週刊ダイヤモンドの顧客調査企画において、他のシネコンを差し置いて顧客満足度1位を獲得しています。シネコンの顧客満足度とは、サービスもそうですが、お客さんがどれだけ上映中の作品に集中できるかであり、座席のシートの質であったり、先述の音であったり、様々な点で満足度1位という結果が出たのでしょう。

全員に楽しんで貰いたいと考えている

MOVIXの他のシネコンと違う点は、「ほっとママシネマ」という企画が物語るように、お客さん全員に映画を楽しんでもらいたいという心構えがあります。「ほっとママシネマ」は、小さなお子さんがいらっしゃる主婦の方が一人では映画を観れないので、シアター内にお子様が遊ぶ場所を作ったり、館内の照明を明るめにしたり、育児中の方でも映画を鑑賞しやすくする企画です。こう言った細かな気遣いが、前述の顧客満足度1位に響いているのでしょうね。

「音にこだわり」、というのは映画のハードファンに向けての施策と言えます。例えば毎年開かれているカナザワ映画祭、ここではシネフィル(映画通の人のことを指す言葉)や、コアな映画ファンに向けて爆音上映というのが行われています。自分の好きな映画を、自宅ではできない音響設備や音量で鑑賞する。これは映画が好きな人にとってとても価値ある嬉しいイベントです。(他にも東京のミニシアターなどで行われている)

「顧客満足度1位」や「ほっとママシネマ」が物語っているのは、ライトな映画層(月に一回や半年に一回映画に行く人)に向けての企画であったり成果であったりします。誰でも気軽に観れる映画館を目指しつつ、コアな映画ファンも取り込む。やこれらの力強い、顧客に寄り添った特徴を持っているからこそ全国屈指のシネコンとなっていると考えられます。

コンセプト

MOVIXの面白いところは、各劇場によって内装や雰囲気にコンセプトがあるところです。例えば2016年にオープンしたMOVIX倉敷ですが、こんな感じで、”公園”をコンセプトにしたなんとも可愛らしい劇場に仕上がっています。

他にも、MOVIX清水は、静岡県の港に位置するため、海をイメージして作られていたりと、他のチェーン系列のシネコンとは違い、雰囲気作りにかなり力を入れています。劇場に入って楽しい雰囲気だと、たとえ人が多くてもアトラクション的なワクワク感が湧きますね。

MOVIXの特殊上映

3D上映

MOVIXでは、こういった細かな気遣いプラス、3D上映などの特殊上映ももちろん行っています。今や一般化している3D上映ですが、MOVIXもこの上映方式を取り入れています。

実は映画の3D上映ですが、各映画館によって違いがあるのを知っていましたか?3D映像の仕組みは、右目と左目でそれぞれ差のある違う映像を見せて、立体感を得る立体視という方法で行われます。昔雑誌の付録で立体メガネという左右で色の違うメガネと、赤と青の色が着いた漫画が掲載されていたことがありましたね。あれと基本的な構造は同じです。

例えば、TOHOシネマズではMasterImage3D、イオンシネマではRealD、T・Joy系ではドルビー3Dと、各映画館で採用している3D方式が違います。では、この採用方式の違いで観客である方々にどんな違いが出るのか?

それはズバリ、3Dメガネの種類に違いが出てきます。各方式が違うと、立体視を発生させる仕組みも少し変わってきます。そうすると、メガネの形状や重さなどにも違いが出てきます。

以前MOVIXでは、XpanDという方式が採用されていました。これは電池交換式の3Dメガネで、劇場のスクリーンを既存のスクリーンのまま3D上映ができるということで、導入コストが低くなります。しかしこのメガネ、比較的重さがある上に、暗いのです。

僕もこのメガネで何度も3D上映を観ていたのですが、電池交換式のため電池が切れてしまった場合は上映中に電池交換をスタッフに頼まなければなりませんでした。あと、メガネonメガネ、つまり視力矯正用の眼鏡の上にこの3Dメガネをかけると、重くて耐えられません。

RealDやMasterimage3Dの3Dメガネはサングラスのような形状と軽さなので、メガネonメガネをしてもさほど気にならないですが、このXpanD方式だけ異様な重さでした。

色々と客的には問題のあったこの3D方式は今は改善されて、NESTRI 3D CINEMA SYSTEMという軽量で明るいメガネに変更されています。

ちなみに、3Dメガネは貸し出し方式と持ち帰り方式(次回3D鑑賞の際メガネ代が不要)があったのですが、XpanDは貸し出し方式でした。

MOVIXも3D上映はコンスタントに行っていますが、例えば座席が動く4DXやスクリーンの大きいIMAXなどはまだ採用しておらず、あくまでも誰でも楽しめるスタンダードな映画館という方向性をとっています。

IMAX上映は?

残念ながら、MOVIXにIMAX上映はありません。109シネマずやTOHO系列にはあるのですが、まだMOVIXでは採用されていないようです。しかし、それを補う顧客満足度がMOVIXにはあるので、IMAX以外の映画はMOVIX、など上映方式によって映画館にこだわりを持つのも面白いですね。

採用されていない理由として、松竹というかSMTの体質的な問題らしいです。IMAXの導入はかなりのコストがかかります。首都圏で、毎日一定の鑑賞客が望めるリッチだと、コストに見合った売り上げがたつのですが、地方に多いMOVIXだとそうはいきません。冒険をしない体質のため、導入はまだまだ先になりそうですね。

料金・割引サービスについて

では気になるMOVIXの鑑賞料金や割引サービスについてです。ほとんどの映画館は一般鑑賞料金¥1,800-とどこも変わりませんが、ポイントカードやサービスデイが大きく変わってきます。ご自身の休みの日や動きやすい日に合わせて鑑賞するために、これらは押さえておきたいですね。

基本料金

MOVIXの鑑賞基本料金は下記の通りとなります。

一般1,800円
大学生1,500円
高校生1,000円
中学・小学生・幼児(3歳以上)1,000円
障害者手帳提示割引1,000円

ここで気になるのは、幼児の料金ですね。幼児は上映作品によっては2歳以上から料金が発生するものもあり、基本的な考えは、3歳未満でも、座席を確保する場合は料金が発生する、ということです。あと各種学生料金は、チケット売り場や入場の際に学生証の提示が必要です。

サービスデイ・サービスプライス

基本料金の他に、特別な割引やお得な日があります。

シニア割引(60歳以上)1,100円
夫婦50割引(ご夫婦のどちらかが50歳以上)二人で2,200円
レイトショー(毎晩20:00~)1,300円
モーニングファーストショー(平日の午前中1回目の上映)1,300円
MOVIXデイ(毎月20日)1,100円
ファーストデイ(毎月1日)1,100円
レディースデイ(毎週水曜日)1,100円
メンズデイ(毎週月曜日)1,100円
ペアプライスデイ(毎週金曜日)二人で2,200円

 

ポイントカード

MOVIXのポイントカードは、SMT Membersという会員になると発行されます。入会方法は至って簡単。ステップは二つです。

  1. 劇場窓口でカードを発行(手数料100円)
  2. ホームページにて会員情報を登録

以上です。簡単でしかも安い。このカードを発行するとどんな恩恵が得られるのかというと…

  • ポイントが貯まる!
    鑑賞ごとに10ポイントが貯まり、60ポイント貯まると映画を一回無料で観れるクーポンが使えます。ただしクーポンで3D作品など特別上映を観る時は、別途3D作品の鑑賞料が必要です(400円)
  • リピーター割引がある!
    有料鑑賞を一回することで、次回の鑑賞が窓口1,300円、ネット予約で1,200円になります。このリピータークーポンの有効期限は有料鑑賞日の翌日から、有効期限は60日となっています。
  • 誕生日にクーポンプレゼント!
    お誕生日になると、1,000円で鑑賞できるクーポンが付与されます。こちらも3D作品の場合は別途料金が必要です。
  • 売店で買い物をすると無料鑑賞クーポンが当たる!
    売店にて買い物時にカードをかざすと、無料鑑賞クーポンが当たるチャンスがあります。1精算につき一回までです。
  • ネット予約が早くできる!
    ネットで映画を予約する際、非会員の方は上映3日前の21:00からの予約が可能ですが、会員の場合は上映3日前の17:00からチケットを購入することができます。混み合う作品などではとても有効活用できますね。

以上がMOVIXのポイントカード、SMT Membersの詳細情報です。

その他の安く観る方法

サービスデイや、ポイント利用以外にも、映画を安く観たい。そんな方多いと思います。安心してください、ちゃんとここを読めば毎回1,800円を払わずとも、映画を鑑賞できます。

  1. 前売り券を買う
    観たい映画が事前にわかっていれば、前売り券を買うことで、1,300円(作品、大人小人により前後)で映画が鑑賞できます。映画館の売店や金券ショップで入手可能で、ムビチケを買えばネット予約もサクッとできちゃいます。
  2. 金券ショップに行く
    金券ショップでは、前述の前売り券や福利厚生券が販売されており、これらは1,300~1,500円ほどで販売されています。MOVIXで使えるものを購入することで、映画が安く鑑賞できます。

いかがでしょうか。映画鑑賞は高い、というイメージがありますが、方法によっては毎回安く見れたりもします。これを知っていると、むしろ毎回「なんで正規料金で観てるの?」となってしまいます。安く観て、お得にポイントを貯めて、無料で観る。お財布にも優しい映画ライフの完成です。

MOVIXのホームページ

MOVIXのホームページのいいところは、他のシネコンに比べると字が大きい、さっぱりしている、など色々と便利な点が挙げられますが、何より嬉しいのは、コンセッション(飲食売店)のメニューが掲載されていることです。

例えばこちら。MOVIX京都MOVIX清水を比較してみると微妙にメニューに違いがあります。ポテトがあったりなかったり。オススメのメニューが違ったり。これも面白いですね。劇場巡りをしながら、そこにしかないメニューを楽しんで映画鑑賞をする。

映画館の売店のメニューというは、意外と情報がなく、行ってから選ぶというものが多いです。しかしMOVIXの場合は、今ある特別なコラボメニューやスタンダードメニューも掲載してくれているので、かなり便利です。行く前に是非チェックしましょう。

まとめ

日本のシネコンの老舗と言われるMOVIXについて記載してきましたが、個人的には思い入れの深い劇場です。大学時代近くにあったり、地元にもあったり。首都圏ではあまり見かけないあたり、地域に寄り添った劇場、といった感じです。

座席のシートも心地よい座り心地で、作品ごとに音がちゃんと調整されているため、IMAXやど迫力の映画を観る時以外でも、映画鑑賞が特別な時間になります。

これからも全国にMOVIXが増えることを祈っています。

 






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PROFILEわたしが書きました。

いとうMgr.

某大手シネコンにて、アルバイトスタッフとして4年間勤務して、喜びも悲しみも味わった男性。
映写技師からポップコーンの販売まで、4年間勤めてみればアルバイトのほとんどをこなせるようになっていた。好きな映画はエドガー・ライト作品。大手シネコンではエドガー・ライト作品は中々上映されず、当時は憤りを抱いていた。