映画館が企業に提供している広告ラインナップを一挙ご紹介。

みやざわ支配人

みなさんは、映画館を広告の媒体として考えたことがあるでしょうか?

「映画を観に行った時に、いつの間にかチラシを渡されていた…。」「映画館で観たあのCMが気になる…。」という経験がある人も少なくないと思います。

映画館という非日常なあの空間にも、その雰囲気を壊さない範囲で上手に広告が展開されています。

映画館は、特定のエリアをターゲットに広告を展開するには最適な広告媒体であり、そのターゲティングのしやすさと効果の両面から、実は古くから地元企業を中心に広告が使われてきました。

今回は、そんな意外と知られていない「映画館が企業向けに展開している広告ラインナップ」をまとめてご紹介します。会社で広報やマーケティングを担当されている方は、ぜひ一度ご一読ください。

動画広告

映画館の広告といえば、まず誰もが思い浮かべるのがスクリーンで上映されるCMだと思います。

映画の本編が上映されるシアター内のスクリーンをはじめ、映画館にはいくつか動画広告を展開できる空間があります。

まずはこの「映画館で展開できる動画広告」について、その種類と内容をご紹介します。

シネアド

前述の通り、「映画館の広告」と聞いて多くの人がイメージする広告がこの”シネアド”です。

シネアドは、映画の本編上映前にスクリーンで上映される企業のCMのことで、厳密にはここの広告枠自体をシネアドと呼びます。

映画を観に行った時に、誰もが一度は観たことがあるくらい、確実に映画館利用者にリーチできる広告で、その注目度と特別感から多くの企業に愛用されている広告です。

そんなシネアドの概要を以下にまとめておきます。

  • CM尺:15秒or30秒
  • 費用:4週間の上映で、およそ200,000円〜(劇場の動員によって大きく変動あり)
  • その他条件:最低上映期間が4週間 / 上映CMの審査あり / 全作品上映or作品指定上映が選択可能
  • 特徴:映画館利用者の85%以上にリーチが可能で、映画館の大きなスクリーンで上映される迫力・特別感から成果に繋がりやすい広告。

シネアドについては、こちらの記事でより詳しくご紹介していますので、合わせてご覧ください!

映画館のプロが教える、映画館広告の代名詞「シネアド」とは?

2021年10月12日

幕間CM

次にご紹介する動画広告は、幕間(まくあい)CMです。

あまり聞き馴染みのない広告かもしれませんが、この幕間CMもシネアド同様にシアター内のスクリーンで上映されるCMです。

シネアドとの違いは、上映されるタイミング。この幕間CMは、シネアドより着席率の低い”入退場時”に上映されます。

大抵の場合、映画の上映開始10〜15分前にはシアター内への入場が可能になるのですが、そこから映画の上映開始時間までの間にスクリーンで流れているのが、この幕間CMです。

ここは企業のCMの他に、劇場からのインフォメーションや作品のキャンペーン情報などが上映されています。

シネアドに比べて注目率なども低いことから、比較的安価に展開できる動画広告になっています。

  • CM尺:15秒or30秒
  • 費用:4週間の上映で、およそ100,000円〜(劇場の動員によって大きく変動あり)
  • その他条件:最低上映期間が4週間 / 上映CMの審査あり
  • 特徴:シネアドと比べると注目度は低いものの、それでも映画館利用者の60%程度にリーチが可能。

ロビー大型モニターCM

最後にご紹介する動画広告は、ロビーの大型モニターです。

これまでのスクリーンで上映する動画広告とは異なり、これは読んで字の如く「ロビーにある大型モニターで上映される企業のCM」です。

映画の入場待ちをしているお客様が主に見ているモニターで、主に新作映画の予告編が流れていて、そこに一定の間隔で、企業のCMを挟んで流しているものです。

  • CM尺:15秒or30秒or60秒
  • 費用:2週間の上映で、およそ50,000円〜(劇場の動員によって変動あり)
  • その他条件:最低上映期間が2週間 / 上映CMの審査あり
  • 特徴:比較的安価ながら、映画館という非日常空間で広告が展開可能。

チラシやポスターの設置

続いては、動画広告から離れてチラシやポスターなどの販促物を映画館に設置する。という広告についてです。

動画広告と同じように、映画館という特別な空間に広告を共存させることができます。

例えば、新作映画のポスターと並べて自社のイベントポスターを設置できたり、映画のチラシと並べて新商品のチラシを設置することで、ただのポスティングやチラシ配りとは違った効果が期待できます。

サンプリング

入場の際にチケットをもぎる入場口で、シアター内に入場されるお客様にチラシや試供品を配布することが可能です。

作品によって用意されている、「入場者プレゼント」が配布されるイメージで企業の販促物を手渡しするので、スムーズにお客様の手に渡ります。

これまでポスティングやDMで地域のお客様に広告展開してきたような方にはオススメの広告展開です。

  • 試供品条件:B5サイズ以下
  • 費用:1枚あたり30円〜
  • その他条件:最低ロット1,000部〜 / 無くなり次第終了
  • 特徴:映画館利用者という新しい顧客に確実に紙面で情報をお届けすることが可能。

チラシ・ポスター設置

前述の通り、新作映画のポスターと並べて自社のイベントポスターを設置したり、映画のチラシと並べて新商品のチラシを設置することが可能です。

サンプリングや動画とは違い、お客様側から能動的に手にしてもらう必要があるので、ただの広告にしてしまうと思うような成果には繋がらないかもしれません。

このチラシ・ポスター設置に限りませんが、映画館で広告を展開する場合はマーケティングプラン全体を確認したうえで、次への導線をわかりやすく設計することが重要です。

  • チラシ・ポスター条件:チラシはB5サイズ以下 / ポスターはB1サイズ
  • 費用:およそ60,000円〜(劇場の動員によって変動あり)
  • その他条件:設置期間は最低2週間〜 / チラシは期間中であれば制限なく補充可能
  • 特徴:映画館という非日常空間に安価で自社の広告を混ぜ込むことが可能。

ステッカー広告設置

これは少し限定的な広告になるのですが、映画館のトイレにステッカー広告を設置することが可能です。

ステッカーの貼り付け可能場所は、トイレの鏡か女子トイレの個室内扉です。

よくデパートなどにもキャンペーンや、ポイントカードのご案内のステッカーが貼られていると思いますが、まさにアレです。

これも、前項のチラシ・ポスター設置同様にお客様側から能動的にアクションをしてもらう必要がある広告なので、内容はよく考えないといけません。

  • ステッカー条件:210mm四方サイズ以内
  • 費用:およそ50,000円〜(劇場の動員によって変動あり)
  • その他条件:設置期間は最低4週間〜
  • 特徴:映画館利用者の90%近くが映画上映前後に利用するトイレ、かつ比較的注目度の高い位置で広告展開が可能。

その他(映画館ならではの広告)

これまでご紹介してきた広告は、動画広告や販促物と比較的想像しやすいものだったかなと思います。

最後にご紹介するのは、映画館ならではのものも含む、その他の広告です。

他にはない特別な広告を展開したいと考えている方には打って付けなので、ぜひご検討ください。

ロビープロモーション

映画館に行った際に、たまにロビーにテーブルなどを置いて動画配信サービスやクレジットカードなどの販促活動をしているのを見たことはありませんか?

まさに、あれがロビープロモーションで、映画館のロビーで販促活動をすることが可能です。

ここには当然、販促活動に対する審査があって、例えば売店の売り上げに影響してしまうような「お菓子の販売」などは出来ないことになっています。

ただし、その審査をクリアすればあとは当日スタッフを配置して比較的自由に販促活動を行うことが出来ます。

前述のチラシ・ポスターの設置やサンプリングではなく、やっぱり自社のスタッフが直接販促活動をしたい!という方にはオススメです。

  • 条件:劇場が指定するエリアで販促活動を行う
  • 費用:およそ100,000円〜(劇場の動員によって変動あり)
  • その他条件:実施期間は最低2日〜
  • 特徴:映画館利用者全員が視認できるロビーで広く販促活動を行うことが可能。

シアターレンタル

映画館のシアターをレンタルして、そこで販促活動などを行うことが可能です。

シアターレンタルは、これまでの広告展開とは違い「映画館に来られたお客様に対して…」というよりも、この会場を使ったイベントなどを開催し、そこの顧客を呼ぶようなイメージになります。

例えば、「映画館で●●をしよう!」のようなイベントを自社で開催し、そこにお客様を呼び、そこで得たリードをナーチャリングしていく…というような戦略の一環で使います。

こういった広告施策以外にも、シアターをレンタルして企業の研修などにも使われます。

  • 条件:特になし
  • 費用:劇場の動員によって大きな違いがあるので、お問い合わせください。
  • その他条件:1時間単位でレンタル可能
  • 特徴:映画館のシアターを丸ごとレンタル可能で、デジタル映写機を利用した様々なイベントが開催可能。

Webバナー広告

最後にご紹介するのは、映画館ならでは…とは言えないのですが、ここでご紹介させてください。

これまでの「映画館自体」を広告媒体として利用するのではなく、「映画館のホームページ」にバナーを設置するという広告です。

映画館に行く前のお客様が上映時間などを調べる際に訪問する、映画館の公式サイト。ここも実際の映画館とほぼ同じく、地元のお客様が多く閲覧しています。

広告の展開として、LPやキャンペーンサイトへの誘導を主な目的にされている場合は、このWebバナー広告も有効な手段の1つです。

これまでご紹介してきた、シネアドなどのオフラインの広告と組み合わせて活用することで、より高い効果が見込めます。

  • 条件:劇場側が指定した領域にバナーを設置
  • 費用:劇場の動員によって大きな違いがあるので、お問い合わせください。
  • その他条件:バナー画像と、リンク先URLを納品。
  • 特徴:映画館に行く前のお客様に、広告をリーチ出来る。また、その映画館に行っていな潜在的な顧客にも広告をリーチ出来る。

最後に

映画館で展開できる広告施策について、そのラインナップと詳細な内容をご紹介してきました。

お客様として利用する映画館と、企業が広告として利用する映画館には見え方に大きな違いがあると思います。

みなさんも知らず知らずに広告と接していた…ということはあると思いますが、他の広告と違って映画館という特別な空間で展開出来る広告は、自然とお客様と接点が持てます。

展開する広告の内容と、マーケティングプラン全体をより考えられたものにすることで、企業にとってこれまでにない成果を上げることも可能です。

特に一定のエリアを商圏にしている企業にはオススメなので、ぜひ広告施策にお困りの方は映画館を広告媒体として検討してみてください。




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わたしが書きました。

with Theaterの支配人です。
7年間大手シネコンで劇場マネージャーを務めたのち、デザイン・マーケティングの仕事を経て独立。今でも映画館の仕事は素敵だと思っています。尊敬する人物はジャッキー・チェン。仕事でトム・クルーズに会った時に緊張し過ぎて顔が白くなった経験あり。