新型コロナウイルスの流行により、私たちの日常生活にはたくさんの「制限」や「対策」が加わりました。
3密を避けることが基本の今、映画館の運営状況はどのようになっているのでしょうか?実際に、「コロナ以降は映画館に行っていない」という方もいらっしゃると思います。
「売り上げは大丈夫?」「作品は延期・中止になるの?」といった疑問から、「コロナ対策は徹底されているの?」そんな不安の声まで、いろいろと気になることが多いですよね。
そこでこの記事では、独自に入手した情報や現状も踏まえて「コロナ禍の映画館の今」をご紹介します!
コロナによる映画館の売り上げは?
まずは、映画館にとって最も深刻だった売り上げについてです。
日本映画製作者連盟は15日、大手配給12社の5月の映画興行収入が前年同月比98.9%減の約1億9600万円だったと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、ほぼ全ての映画館が休館したことが大きく影響、現在の形式で集計を始めた2000年以降の最低額を更新した。
こちらのニュースにもある通り、2020年5月の大手配信会社の収入は前年同月比98.9%減であったことが分かっています。
5月といえば、世間的には緊急事態宣言の真っ只中。みなさんが「出来るだけ外出は控えよう…」と外出を自粛していた頃です。
逆に映画館は、本来なら大型連休(ゴールデンウィーク)、夏休み……と1年を通して最も動員が見込める期間です。例年ならば人気作が続々と公開され、映画館は連日大混雑…のはずでした。
そんな5月の収入が「前年比▲98.9%」ですから、映画館にとっては大打撃そのものです。
緊急事態宣言が解除され、今ではほとんどの映画館が営業を再開していますが、作品の延期・中止。感染対策により、厳しい状況がもうしばらくは続くかもしれません。
コロナによる作品の延期・中止は?
新型コロナウイルスは誰もが想像していた以上に大流行し、私たちの「日常生活」に影響を与えました。
そんなコロナは映画作品にまで影響を及ぼし、2020年公開予定だった作品は「公開延期」が相次いでいます。
「イオンシネマ」の公式ホームページでは、2020年2月〜9月公開を予定していた作品が一覧で紹介されています。
延期になってしまった作品をいくつか実際に見ていきましょう。
- 劇場版 名探偵コナン 緋色の弾丸:2020年4月→2021年4月
- 魔女見習いをさがして:2020年5月→2020年11月
- ワンダーウーマン 1984:2020年6月→2020年10月
- 劇場版ポケットモンスターココ:2020年7月→2020年12月
- フリー・ガイ:2020年8月→2021年1月
また、中には残念ながら公開が中止になってしまった作品もあります…。
2020年9月4日に公開を予定していたディズニー映画「ムーラン」は、ディズニー・ジャパン株式会社の意向により、劇場での公開が中止となりました。当作品はディズニーの運営する動画配信サービス「Disney+」にて、オンライン公開がされることになりましたね。公開を楽しみにしていた人からすると、残念な結果となってしまいました。
楽しみにしていた映画がちゃんと公開日に観られるという日常が、一刻も早く戻ることを祈るばかりです…。
映画館では、どんなコロナ対策をしているの?
そんな映画館ですが、これからのwithコロナ時代の運営において、どんな対策を行っているのか。
映画館=3蜜というイメージを持っている方も多いと思いますが、多くの映画館はこの「3密」を避けることはもちろん、感染対策を徹底的に行っています。
具体的には、ほとんどの映画館で以下のコロナ対策が導入されています。
- マスクの着用を要請(飲食時を除く)
- 入場前の検温
- アルコール消毒液の設置
- ソーシャルディスタンス(前後左右に間隔を空けて座席を販売)
- 劇場内の換気
- レジなどのカウンターに飛沫防止シートの設置
コロナ以降に映画館に行かれた経験がある方はご存知かと思いますが、一番印象的なのは「座席が1つ飛ばしにしか取れない」ということですよね。
これは、もちろんソーシャルディスタンス。同じグループであっても、基本的には隣同士で映画を観ることが出来ません…。今の時代は仕方ないですね。
また、スタッフによる衛生管理はもちろん、お客さんに向けて「マスクの着用・検温のご協力をお願いします!」といった声がけも積極的に行われています。
入場口での検温や、アルコール消毒液の設置は今や当たり前の景色になりましたね。
このように、これまでは比較的「3蜜」に近かった映画館でも、しっかりとしたコロナ対策が取られています。コロナと共に生活していく新しいフェーズに入った今、必要以上に不安にならず、ぜひとも映画館に足を運んで頂きたいと思います。
ただし、マスクの着用やソーシャルディスタンスを保つなど、一人ひとりが危機感を持って協力することで「安全な劇場」が作られていることはお忘れなく!
withコロナの各映画館運営情報
ここからは、具体的にそれぞれの映画館の運営情報とアナウンスを見てみましょう。
TOHOシネマズ
TOHOシネマズでは、営業再開に際し、お客様と従業員の安全を確保するため、感染予防の取り組みを行ってまいります。
ご利用のお客様にはご不便をお掛けいたしますが、何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます
上記で紹介した感染対策(マスクの着用・アルコール消毒の設置など)をはじめ、TOHOシネマズでは徹底したコロナ感染予防措置のもと、運営がなされています。
また、「座席指定券を予約購入したけど、体調を崩してしまった…」というお客さまには、座席指定券の払い戻し対応を行っているようです。
松竹マルチプレックスシアターズ(MOVIX)
6月1日より全劇場の営業を再開致しました。
しかしながら、いまだ油断できる状況にはなく、お客様の健康と安全を考慮し以下の新型コロナウィルス感染予防対策を引き続き実施してまいります。
「緊急事態宣言」の発令によって、しばらくの間営業を休止していた松竹マルチプレックスシアターズですが、6月1日より全国すべての劇場で営業が再開されました。
実際に劇場に訪れたお客さまに、ホームページで「感染症対策はどうであったか」というアンケートを実施。今後さらにwithkコロナの運営がより良いものへと改善されていくことが期待できそうです。
イオンシネマ
お客さまが安心して映画をご鑑賞いただけるよう、あらゆる観点から感染拡大リスクの低減に努めてまいります。
イオンシネマでも、他の劇場と同様に、徹底したコロナ対策が実施されています。
劇場内では、空調システムで常に換気が行われているので、空気が悪いといった心配もありません。
T・ジョイ系列
【お客様へのお願い】
マスクの着用をお願い致します。(2歳未満は任意)マスクをお持ちでない場合はご入場をお断りさせていただきます。
※シアター内でもマスクの着用をお願いいたします。
※大きな声での会話や、マスクを外しての会話はご遠慮ください。
T・ジョイ系列の映画館でも、他と同じようなアナウンスがあります。
アナウンス内には「オンラインチケット販売のご利用やキャッシュレス決済へのご協力をお願い致します。」という一文があり、極力対面での対応をなくそうとしているのが特徴的ですね。
ここでは大手シネコンを中心に、それぞれの対策をご紹介しましたが、みなさんの地域の映画館でも同じような対策が取られているものと思います。ご不安な方は一度、それぞれの映画館にお問い合わせしてみてください。
最後に…
この記事では、withコロナ時代の映画館の運営に関する取り組みをご紹介しました。
新型コロナウイルスによる影響は非常に大きく、映画館だけに限ったものではありませんが、「売り上げ」「作品の公開時期」「運営方法」に、コロナ前とは違うニューノーマルが誕生していることが分かっていただけたかと思います。
とはいえ、各劇場はコロナ感染対策を徹底し、感染のリスクの低減に努めていますので、心配しすぎる必要はありません。少しずつ、以前の日常に戻れるように映画館も利用してほしいと思います。
withコロナの危機感を忘れず、きちんと対策をとって、安全に映画館を利用していきましょう。