皆さんは、映画館で「映画」以外のコンテンツを鑑賞したことはありますか?
映画館といえば、映画を観るための場所ですが、実はそれ以外のコンテンツを大きなスクリーンで楽しむことができる「特別興行」というものがあるんです。
フィルム映写機の時代にはあり得なかった「歌舞伎」や「人気アーティストのライブ」などが、デジタル映写機の導入によって映画館で手軽に、かつコスパ良く楽しむことが出来ます。
今回は、そんな映画館が楽しめる映画以外の「特別興行」について詳しくご紹介します。
映画館の「特別興行」とは?
映画館の「特別興行」とは、通常の作品とは異なる料金体系で鑑賞することができる、「歌舞伎」「ライブ」などのスペシャルコンテンツのこと。
この特別興行は、「3,000円均一」などといった特別料金が設けられていたり、通常の映画料金でない金額で上映されます。
また、特別興行は「ファーストデー」や「レイトショー」などの割引対象外となることがほとんど。基本的に、通常の一般料金(1,800円〜1,900円程度)よりも高い入場料金が必要だと覚えておきましょう。
そんな特別興行の代表例として、以下の4つが挙げられます。
- シネマ歌舞伎
- ライブ・ビューイング
- オペラ
- 舞台挨拶・試写会
それぞれどのように上映されているのか、過去に上映された作品例と共にご紹介していきますね。
1.シネマ歌舞伎
大手シネコン・MOVIX(松竹マルチプレックスシアターズ)では、「シネマ歌舞伎」を毎月1本上映しています。
シネマ歌舞伎では、HDカメラで撮影された高画質の歌舞公演を映画館の大きなスクリーンで観ることができます。
歌舞伎ファンの間では「月イチ歌舞伎」と呼ばれており、毎月必ず映画館で歌舞伎を観るという人も多いようです。
「歌舞伎」というと、鑑賞のハードルが高いイメージがありますが、シネマ歌舞伎を利用すれば、気軽に歌舞伎デビューすることができますよ。
過去に上映された作品例
実際に過去に上映された作品例を見ていきましょう。
- 『怪談 牡丹灯籠』
- 『月光露針路 日本 風雲児たち』
- 『三人三吉』
2003年春より開発に着手し、2005年に第1作『野田版 鼠小僧』が公開、これまでに30作以上の作品を公開しています。
引用:シネマ歌舞伎とは?
料金
シネマ歌舞伎の料金は、一般「2,200円」、学生・子ども「1,500円」です。
通常の映画チケットと同様に、ホームページまたは劇場窓口で座席指定券の購入が可能です
2.ライブ・ビューイング
ライブ・ビューイングとは、チケットが取れなかったり、家から遠くて参加できなかったりしたコンサートを、「生中継」で鑑賞することができるイベントのこと。
海外や地方で開催される人気アーティストのコンサートを、近くの映画館で鑑賞できるのは嬉しいですよね。
ライブ・ビューイングが実施される劇場は特に決まっておらず、主催者によってライブ・ビューイングの開催ごとに決定されるのが特徴です。
過去に上映された作品例
- ARASHI Anniversary Tour 5×20
- 乃木坂46 真夏の全国ツアー2019 ファイナル
- BTS MAP OF THE SOUL ON:E
大人気アーティストのライブが生中継で開催されています。
料金
ライブ・ビューイングのチケット料金はコンサートごとに異なりますが、相場は3,000円〜4,000円ほどです。
映画の鑑賞料金と比べると高額ですが、映像とはいえ、コンサートを生中継で鑑賞できることを考えると、コスパがいいといえるでしょう。
ただし、ライブ・ビューイングのチケットは、ライブチケットと同様に、抽選で当選する必要があり、倍率が高い傾向があるのでご注意ください!
3.オペラ
ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場で上映されるオペラを、実は大手シネコン・MOVIX(松竹マルチプレックスシアターズ)で鑑賞することができるんです。
5.1chサラウンドの音響と、10台以上のカメラを駆使したダイナミックなライブ撮影で、オペラの魅力を余すことなくお届けします。
生中継ではないのですが、ニューヨークで公開されたオペラ作品を、わずか数週間後に日本で見られるということもあり、オペラファンから高い人気を誇っています。
ちなみに、日本語字幕がついているので、「外国語は分からない…」という方でも安心です。
過去に上映された作品例
- プッチーニ『トゥーランドット』
- フィリップ・グラス『アクナーテン』
- カーシュウィン『ポーギーとベス』
料金
METライブビューイングは、松竹系列の映画館にて一般「3,700円」、学生「2,500円」で鑑賞が可能です。
通常の映画チケットと同様に、ホームページまたは劇場窓口で座席指定券の購入ができます。
4.舞台挨拶・試写会
最後に紹介する映画館の特別興行は、「舞台挨拶・試写会」です。
業界的には舞台挨拶などは「特別上映」と呼ばれ、今回ご紹介している「特別興行」とは若干違うのですが、まとめてご紹介します。
舞台挨拶は読んで字のごとく、映画の上映とセットでキャストや監督が登壇して、映画の紹介や撮影秘話などをお話するイベント上映のこと。
試写会は、キャストの登壇などありませんが、映画の公開に先立って指定の劇場で行われるものです。
この「映画の上映」が入っているため、特別興行とは別で「特別上映」と区分けされています。
過去の作品例
- 劇場版『鬼滅の刃』 公開記念舞台挨拶
- 『モアナと伝説の海』 引き換えキャスト登壇・試写会
大ヒット作品となった劇場版『鬼滅の刃』の舞台挨拶は、TOHOシネマズ日比谷にて実施。
『モアナと伝説の海』の試写会は、ベルサール六本木とTOHOシネマズシネマズ六本木でにて、公開に先駆けて行われました。
料金
舞台挨拶は、通常の上映回とセットで行われるので、基本的に追加料金は必要ありません。
ただ、グッズが付いたり、海外の人気ゲストが舞台挨拶をしたり…などという場合、通常料金より少しチケット代金が高くなることもありますし、何よりキャストや監督を実際に見られることもあり入手困難です。
また、試写会は、応募者の中から抽選で招待された人のみが参加できる特別上映のため、鑑賞料金は基本的にかかりません。もちろん、こちらも倍率高めです。
舞台挨拶や試写会の情報は、各映画館の公式ホームページの「舞台挨拶・イベント」ページや作品のホームページにてご確認いただけます。
映画館の「特別興行」を楽しもう!
今回は、意外と知らない映画館の「特別興行」についてご紹介しました。
歌舞伎やコンサートなど、これまで映画館で「映画」しか観たことがない人からすると、新鮮に感じられたのではないでしょうか。
「映画館をもっと楽しみたい!」という人は、映画以外のコンテンツにも挑戦してみるといいでしょう。
ライブビューイングや試写会などは、倍率が高い人気イベントですので、「見たかったのに……」ということがないように、ぜひこまめに各劇場や各作品のホームページをチェックしておいてくださいね!