見たい映画の公開が決まったら、多くの人が前売券を購入します。
通常の窓口料金より安く、前売特典があったりするので、前売券を買った経験した人も多いはずです。
そんな前売券ですが、「コンビニとかで買った前売券で映画を見たけど、映画館ってどういう仕組みで成り立っているんだろう?」と疑問に感じたことはありませんか?
というのも、前売券というのはその映画館で買ったものでなくても、映画を観ることが出来る不思議なチケットです。
例えば、コンビニやチケットサービスで買った前売券を地元の映画館で使った。なんて人も多いはずです。
今日は、そんな映画の前売券の仕組みを大公開。映画館が、どのようにして成り立っているかご紹介していきます。
前売券について
本題に入る前に前売券の基本的な情報について確認しておきましょう。
前売券とは
公開前に当サイトや劇場・プレイガイドなどで当日料金よりもお得な価格にて販売される映画チケットです。全国共通前売鑑賞券・特別鑑賞券などいろいろな名称で呼ばれています。
ここに記載のある通り、前売券は映画の公開前に発売されているチケットのことです。
基本的には、その映画の”公開前日”まで購入することが可能です。
簡単に言うと、事前に購入しておくと、通常よりも安くて特典ももらえたりするよ!ってことですね。
他のサービスでいう、早割とかに似てますかね。
なぜ前売券があるのか
では、なぜこのような前売券というものが存在するのでしょうか?
これは配給側の販促にも絡む部分ですが、配給会社からすれば“前売券が売れた時点で、興行収入が上がったようなもの”です。
というのも、前売券を買った人が映画を観に行かないなんてことは、ほとんどあり得ないからですね。
映画自体のプロモーションでメディアへの露出が増えていった時に、前売券を販売していれば、その時点でお客さんを囲い込むことが出来ます。
逆に前売券がなく、公開日から一斉にチケット販売が始まるというのは、配給からすると予測が立てにくくて嫌なものです。
こういった様々な背景から前売券が存在します。
前売券の仕組み
それでは、実際に前売券の仕組みをご紹介していきましょう。
今回は、前売券の販売〜前売券の使用〜興行終了まで、3つのステップに分けて見ていきたいと思います。
前売券の販売について
映画の前売券は、映画館だけでなくコンビニなどでも手軽に購入することが出来ます。
ですが、もちろんコンビニでは映画の上映をしていませんよね?
ここでは、前売券を発行している「配給会社」と、前売券を販売している「販売店」の関係を見ていきます。
販売店は、配給会社から委託されて前売券の販売をしているだけなので、販売した時点では売上が立ちますが、実際の利益は販売手数料程度です。
前売券は、金券や商品券のようなものなので、使われた段階で大きな利益が発生します。
つまり、販売だけを行なっているような場所からすると、それほど美味しい話ではないわけです。
前売券の引き換え
あの紙切れ1枚持っていけば、チケット窓口で映画館の入場券と引き換えられて、新作映画が観られるわけですから、ここに当然カラクリがあります。
映画館で前売券を、座席の指定券と交換した時点で“あなたがどこの映画館でその映画を鑑賞するか決まる”ので、その交換した時点で映画館にとって利益が発生します。
とは言っても、その瞬間は前売券という紙切れをお客様から預かっただけ。映画館は、お客様から預かったこの前売券を大切に保管して、しっかりと利益へと変えていくわけです。
ここでお客様側も映画館側も不正を働けなくするために、前売券は切り離し無効になっています。
万一、映画館スタッフがお客様から預かった前売券をこっそり懐に入れて、別の映画館で使う。なんてことが出来なくなっているんですね。
興行終了後に映画館としての利益へ
その映画が上映している期間は、連日前売券を持ったお客様がチケット窓口に来られます。
ここでお預かりした前売券は、映画館が大切に作品の上映終了まで保管し、上映期間中に何枚の前売券利用があったか算出します。
その枚数を、実際の前売券と合わせて配給会社の報告し、それに見合った金額を請求するわけです。
ここでようやく映画館として利益が生まれます。なので、映画館の事務所では、お客様からお預かりした前売券は金券などと同じレベルで扱われます。
まとめ
映画の前売券が販売されてから、映画館が利益を得るまでの流れをご紹介してきました。
なんとなくお金の流れは掴んで頂けたんじゃないかなと思います。
配給会社からすると、販売された前売券はどこの劇場で使われても良いものです(厳密には使って欲しい劇場があります)が、映画館からすると自分たちの劇場で販売した前売券が他の劇場で使われるのは絶対に嫌なものです。
大抵の場合、コンビニなどでなく映画館で購入した前売券は、その映画館で使われるのですが何割かは別の劇場で使われることもあります。
なので、前売券には「劇場指定前売券」というものも存在していて、他の劇場で使われないような策を打ってるわけです。(これがトラブルになったりもしますね…)
この前売券の種類に関しては、また別の記事で詳しくご紹介したいと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました!