映画館の”王道”、TOHOシネマズについて

みやざわ支配人

TOHOシネマズの概要

 

今回ご紹介するのは、極めてオーソドックスな映画館である、YOLO…いや、TOHOシネマズについてです。過去の名作を上映する午前十時の映画祭などを行っているTOHOシネマずは、チェーンのシネコンでありながらどこかオーソドックスな映画館であるという印象を受けている人は多いはずです。そんなTOHOシネマズに触れていきます。

TOHOシネマズの運営母体

TOHOシネマズの運営は、TOHOシネマズ株式会社が行っています。これは、ゴジラやウルトラマンなどの特撮、黒澤明監督作品で知られる映画製作配給会社の東宝の100%子会社となります。TOHOシネマズ新宿には馬鹿でかいゴジラがいますのでイメージがつきやすいですよね。

東宝といえば、興行界の二大大手であり、松竹と並べて挙げられらます。いわゆる日本の映画業界においては、最大手となるTOHOシネマズです。ただ、同じく大手映画興行会社の東映と松竹の興行収入を合わせても、東宝に及ばないという、日本を代表する興行会社です。もちろん、運営している劇場数も少し前までは日本で一番多かったのですが、イオンシネマズに抜かれてしまいました。

そんな東宝が運営している劇場なだけあって、作品ラインナップも東宝系列はもちろんのこと、映画好きにはたまらないラインナップを大手シネコンでやってくれています。

TOHOシネマズの歴史

1950年代、東宝は『百館主義』という方針の元、全国に100館の系列劇場を抱えていました。全国に子会社の劇場運営会社を抱え(北海道なら北海道東宝株式会社)、六部興行と言われる六社を東宝株式会社が総まとめしていました。

それが2003年に、日本で映画館を運営してた外資系劇場運営会社ヴァージンシネマズ・ジャパン株式会社を東宝が買収し、TOHOシネマズが生まれます。その後、六部興行全ての会社をTOHOシネマズに一本化し、今の運営形態が誕生します。

現在は全国に69サイトを運営するTOHOシネマズですが、その歴史は親会社のTOHOも含め、日本の映画業界の歴史と行っても過言ではないほど、巨大な興行会社となっています。

TOHOシネマズの特徴やコンセプト

 

それでは、日本一とも言えるこのTOHOシネマズの特徴とコンセプトについてお話ししていきます。お洒落でリラックスできる内装は何からきているかのか?上映作品の傾向は?わかりやすく解説していきます。

上映作品は大人向け

まずはTOHOシネマズの上映作品についてです。まず、他の劇場と違うところは、東宝系列の作品を優先して取り扱っている点です。東宝系列の作品といえば、様々な作品がありますが、代表的なのはゴジラや黒澤作品が挙げられます。

他にも、ドラえもんやクレヨンしんちゃんなどのアニメ作品も東宝系列です。これは、劇場の立地や客層にも大きく左右されるのですが…。

ただ、TOHOシネマズの上映作品は大人向きの作品が多くなっています。これには理由がありまして、例えば大阪のTOHOシネマズなんばはoioiの中に入っています。東京のTOHOシネマズ日本橋はCOREDO室町2に入っています。

ここまで挙げればわかる方が多いと思うのですが、イオンなどと違い、かなり大人向けの商業施設の中に入っていることが多いのです。ですから、自然と客層も大人が多くなり、上映作品も大人向けの作品が多くなります。

大人向け、と言うと語弊がありますが、洋画中心のスケジュールであったり、ホラー系、昔の傑作のリバイバル上映である午前10時の映画祭など、大人が楽しめる映画が多いのが、TOHOシネマズの特徴です。

シックでお洒落な内装

TOHOシネマズの内装は、照明が一段と落ち着いていて、赤を基調としており、シートも高級感が出ています。これは、TOHOシネマズの前進であるヴァージン・シネマズグループのメインが航空会社であることが関係しています。

広々とした待合室で、液晶モニターを眺めながら入場開始を待つ感じなんて、空港そのものですよね。ですから、プレミアシートと呼ばれる飛行機で言うファーストクラスのような追加料金を支払うことで座れる座席があったりします。ただし、これは徐々に廃止されてきています。

高品質な映像体験

TOHOシネマズの映画のクオリティは、他と一線を画しています。これはあくまでも私自身の所感になってしまうのですが、やはり小さいシアターでもスクリーンがそれなりに大きいし、IMAXのクオリティは他劇場で観るよりも信頼と安心感があります。

それを証明するかのように、TOHOシネマズららぽーと船橋では、TOHOシネマズ独自のスクリーン規格であるTCXが導入され、さらに日本で初めてドルビーアトモスが導入された劇場です。高品質な映像追求しているTOHOシネマズらしいですね。

あとは、設備的な話以外になるのですが、TOHOシネマズは全体をちょっとゴージャスな感じにブランディングしています。シートであったり、ポップコーンの入れ物であったり。どこか昔の洋風なシアターを思わせながら、今風の高級感が随所に散りばめられています。

私は映画を映画館で観ることは”体験”することだと考えているので、シアターに入って、席に着くまでの導線でこれら全てが作用して高品質な映画鑑賞、というイメージを抱かせているのだと思います。

TOHOシネマズの特殊上映

 

さて、そんなTOHOシネマズですが、特殊上映にはどういったものがあるのでしょうか。MX4DやIMAXに触れていきたいと思います。

山崎紘菜さんが可愛い!

 

はい、初っ端から関係のないことになってしまいましたが、どうしてもTOHOシネマズについて書くときに書きたかったことです。TOHOシネマズで上映が開始するまでの、幕間の時間に、スクリーンではCMが流れていますよね?

今後の上映ラインナップや映画に関するニュースなどが流れているあれです。それを紹介するナビゲーターとして登場するのが、山崎紘菜さん。彼女は長澤まさみさんと同じく、東宝シンデレラオーディションから女優になった方です。

そんな彼女がいろいろと映画情報を話してくれるのですが、TOHOシネマズで映画を観る前の楽しみとしては、十二分な映像です。他の劇場では企業CMなどが入るのですが、TOHOは彼女が話してくれます。劇場に足を運ぶのが楽しみになる!

MX4D

本題に戻りまして、日本ではTOHOだけしか入れていない4D設備の話です。他劇場は4DXという技術を導入しているのですが、TOHOシネマズはMX4Dという技術です。

そもそも4Dというのは、座席が揺れたり、風が出てきたり、水しぶきが上がったりと、かなりアトラクションに近い機能を取り揃えた体験型の劇場設備です。MX4Dと4DXに大きな違いはありませんが、作っている会社が違います。

MX4DはアメリカのMediaMation社製、4DXは韓国のCJ 4DPLEX社製となります。TOHOシネマズはMX4Dを全国17サイトで導入しています。

まあこれ、私は『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』で体験したのですが、もういいや…って感じになりましたね…。MX4Dだろうが4DXだろうがその辺は変わらないのですが、あくまで個人の感想としては、高いお金を払ってまで落ち着いた鑑賞環境が得られないのはちょっと…という感じです。アトラクションに行った方がいいです。

IMAX

TOHOシネマズでも、IMAXは導入されています。主に都心の全国計6サイトに導入されています。(2018年3月現在)TOHOシネマズの総サイト数からすれば、少ないように思えますが、基本的に郊外からアクセスしやすい要所を抑えています。

IMAXってそもそも何が違うの?でかいだけ?と思われる方も多いと思います。いいえ、そんなことありません。IMAXと通常スクリーンの違いは、画面の大きさだけではありません。例えば輝度(画面の明るさ)であったり、視野度(見れる範囲)が大きく違います。

あとはスピーカーも、通常のシアターの二倍あり、12.1chのシステムを組んでいます。(ドルビーアトモス併設は別)。

3D上映

TOHOシネマズでも3D上映は行われています。3DメガネはMasterimage社、もしくはSonyのRealDが使われています。いずれも軽いサングラスタイプの3Dメガネです。RealDにはメガネにつけられるクリップオン式の3Dメガネがあります。(販売しているかは要問い合わせ)

料金・割引サービスについて

 

TOHOシネマズの料金についてです。サービスデイやポイントカード制度が充実しています。

基本料金

TOHOシネマズの基本料金です。

一般1,800円
大学生1,500円
高校生1,000円
中学・小学生・幼児(3歳以上)1,000円
障害者手帳提示割引1,000円

特殊上映

IMAXなどの特殊上映の追加料金です。

3D作品+300円(3D料金)+100円(メガネ料金のため持参時は不要)
MX4D+1,200円
IMAX+500円

サービスデイ・サービスプライス

TOHOシネマズのサーブスデイやサービスプライスの料金です。かなり豊富ですね。

TOHOシネマズデイ(毎月14日)1,100円
シネマイレージデイ(毎週火曜日・会員限定)1,400円
ファーストデイ(毎月1日)1,100円
レディースデイ(毎週水曜日)1,100円
auマンデイ(毎週月曜日・auスマートパス・auスマートパスプレミアムまたはビデオパス会員)一般・大学1,100円
高校生以下900円
レイトショー(毎日夜20時以降の上映作品)1,300円
シニア割引(60歳以上の方)1,100円
夫婦50割引(夫婦どちらかが50歳以上)二人で2,200円
映画の日(12月1日)1,000円

ポイントカード

TOHOシネマズには、シネマイレージカードというポイントカードがあります。こちらも、飛行機のマイルをイメージさせる内容となっています。

ポイントは、鑑賞一回ごとに1ポイント、6ポイント貯まれば一回無料で鑑賞できます。さらに、マイレージというマイルが貯まり、これは鑑賞した映画の本編1分を1マイルとして加算されていきます。

貯まったマイルは、抽選に応募できたり、1,000マイルでポップコーンのSサイズもしくはドリンクのSサイズと交換できます。一番魅力的なのは、6000マイル貯まった時に交換できる、一ヶ月のフリーパスポート。一ヶ月間映画が見放題!

さらに、シネマイレージカードを作れば、ネット予約が簡単になったり、一般の方より早く予約できたりします。

TOHOシネマズのホームページ

TOHOシネマズのホームページはこちらになります。

TOHOシネマズ

他の劇場と比べて、広告がなくスタイリッシュな作りになっています。残念ながら、売店のメニューは記載されていないようです。

まとめ

個人的にはシネコンの中で一番好きな劇場です。私みたいに月に何回も映画を観に行く人にとって、魅力的な作品ラインナップであったり、シックな内装であったり、「ああ、映画館に来たなあ」という気持ちにさせてくれます。ポイントカードも、ここが一番貯まるのが早く、月に一回は無料で鑑賞しています笑

そんな日本を代表するシネコン、TOHOシネマズについてでした。




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わたしが書きました。

with Theaterの支配人です。
7年間大手シネコンで劇場マネージャーを務めたのち、デザイン・マーケティングの仕事を経て独立。今でも映画館の仕事は素敵だと思っています。尊敬する人物はジャッキー・チェン。仕事でトム・クルーズに会った時に緊張し過ぎて顔が白くなった経験あり。