映画館でどうしてもスマホを触ってしまう人へ

みやざわ支配人

「映画館でスマホ」は昨今色々問題になっていますよね。

どうしても気になってしまう気持ちはわからないでもないです。ただ、公共の場所である映画館でのマナーとして基本的に上映中のスマホはNGです。

どうしてもスマホを触ってしまう方に向けて、一度立ち止まってみて、映画館がどういう空間か、どうしたらマホ離れできるかを考えてみましょう。

映画館と配信の違いを理解する

時代は移ろうものです。今や手元の小さな機械で映画が観れる時代になっています。

映画をスマホやタブレットで観るということ

動画配信サービスが隆盛しているいま、過去の名作や最新の話題作までネットを介してスマホで鑑賞することができてしまいます。僕個人もよくタブレットで映画を観るのですが、基本的には「確認作業」や「観直し」程度という認識です。全く初めて観る作品は、なるべく大きな画面で観るようにしています。

ここで映画館のいいところを挙げると、映画館というのは視覚いっぱいにスクリーンが広がっています。余計なものは目に入ってこず、目の前の画面に集中することができる作りになっています。しかし、タブレットやスマホ、自宅のテレビで映画を観るということは、それ以外の視界に入っているものにも意識を奪われてしまいます。

「視界を映画で埋め尽くせる」というのがそもそものタブレットなどで映画を観ることと、映画館で映画を観ることの違いです。

時間を拘束される

映画館は良くも悪くも時間を拘束されます。映画のスタート時間は決まっていて、あなたを待ってくれません。学校や仕事の決まった時間に遅れてしまうともちろん怒られてしまいますが、映画はそうではありません。好きなものを観に行っているのに、無慈悲に定刻通りにスタートし、時間を拘束される。

日常でこんな経験って、あまり無いと思います。配信の映画は自分の好きな時間に観れるし、場所も問いません。例えるなら、ディズニーランドやUSJも同じ部類に入りますよね。非日常を体験するために、高い入場料を払って人混みの中わざわざ行きます。

こういった非日常を体験できるのも、映画館の面白さの1つです。

スマホを気にしない考え方

とはいっても気になるものは気になる。手のひらには外の世界をすぐに覗ける媒体があるので、すぐにそちらに逃げることができちゃいます。ここからは辛辣なことを言いますが、どうしてもスマホを気にしてしまう人には下記を読ませてあげましょう。

集中力がもたないと反省する

何かに没頭できる人は、集中力があるはずです。スポーツでも読書でも、絵を描くことでも。それらをやっている間は、そのことだけを真剣に考えています。

残念ながら、目の前のことに没頭できないのは集中力が無いからです。とは言っても、「映画がそんなに面白くない」という理由もあるかもしれないので、これは仕方の無いことです。あげましょう、集中力。

けど、わざわざ自分のお金と時間を使って映画を観に来ているのに、数十分もせず自分のスマホを気にしてしまうのって、なんだか凄いアホらしくないですか?嫌でも集中したほうが、自分のためになると思います。

大した連絡は来ていないと考える

そもそも、映画館にいる間の数時間、あなたのスマホに大した連絡は来ていません。というか大した連絡が来る予定なのであれば、映画を観る時間をずらしましょう。

推測ですが、映画館でスマホを触ってしまう人は「スマホを触る」こと自体が癖になっていて、目的なくSNSを徘徊したりしてるだけだと思います。

大した連絡が来てしまったら、一度映画館の外に出ましょう。多分それ、映画どころじゃないです。

そもそも電源切る

映画館の中では、スマホの電源は切るように注意喚起されます。そうですよね、そもそも電源切っちゃってください。たまにマナーモードで済ませる人がいますが、バイブの振動もきっちり聞こえますし、スマホの明るさを一番低くしても目立ってます。

もし、特別な理由が無いのに電源が切れない、電源を消してたのにつけてしまうという方がいたら重度のスマホ依存症です。映画館ではなく病院に行きましょう。

「スマホから離れられる」と考える

毎日どれくらいスマホを触っていますか?

現代人の多くは1日1~2時間スマホを触っているそうです。多い方は4時間や5時間触ってるみたいです。スマホを触っている時間って、よくよく考えるとかなり気を張る時間じゃないですか?

SNSは常に誰かの日常が発信されてるし、YouTubeも誰かの何かを常に流し続けています。スマホで電子書籍を読むときはまた別ですが、スマホを触っている時間の多くは一方的でもそうでないにしても「他者と繋がっている」時間が多いかと思います。

ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブスなど、一般人よりはるかに忙しい人たちは「瞑想」をすると聞きますよね。「瞑想」はまさに自分だけの呼吸に集中する自分だけの時間です。

「外界と離れ、自分のことを考える」時間を設けることで、健全な生活が送れます。

映画館にいる間は強制的にスマホから離れられ、映画という物語を通して自分を見つめ直す時間にもなります。自己啓発みたいになっていますが、これが意外と効果的なんですよ。

一度騙されたと思って、「映画館はスマホや外界から離れ、自分を見つめ直す場所」という気持ちで映画館に行ってみてください。どハマりします。

スマホから離れると自由になれる

スマホから離れることで、自由になることができます。スマホあった方が自由だろ!と思うかもしれませんが、ある映画を引き合いに出してみます。

『イージー・ライダー』という1969年の映画があります。自由を求め、バイクにまたがりアメリカを旅する二人の男の物語です。

この映画の冒頭、バイクに乗り旅に出る間際、彼らは自分たちの腕時計を捨て去ります。

時間に縛られない、自由の象徴としての名シーンです。

これを現代に置き換えると、いつも携帯している自分を縛るものはスマホです。そのスマホの電源を強制的に落として、自由への旅に出れる空間、それが映画館です。

素敵でしょ?

まとめ

映画館でどうしてもスマホを触ってしまう友達や恋人がいたら、ぜひこの記事を読ませてあげて諭してみてください。もし、他のお客さんが目の前でスマホを触り出すと、下記の記事を参考に対応してみてください。

元劇場スタッフが語る「映画館でスマホ」をやられた時の対処法

2018年3月8日




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with Theaterの支配人です。
7年間大手シネコンで劇場マネージャーを務めたのち、デザイン・マーケティングの仕事を経て独立。今でも映画館の仕事は素敵だと思っています。尊敬する人物はジャッキー・チェン。仕事でトム・クルーズに会った時に緊張し過ぎて顔が白くなった経験あり。