「毎年スター・ウォーズが観れる」、このことは至上の喜びと思っていました。先日公開された『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』ですが、興行的には大敗退。これ以降の『スター・ウォーズ』スピンオフシリーズは制作中断。
個人的には、「そこそこ面白かった」という鑑賞後の評価だったのですが、何か物足りません。『スター・ウォーズ』の本編ストーリーは相変わらず興行的にも成功していたのですが、スピンオフシリーズはいまいち。
一例をあげると、前作のスピンオフシリーズ、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』は世界の初週興行収入1億5500万ドル、しかしながら今回の『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』は初週1億100万ドル。このままいけば赤字だとか。本編の新3部作各話は、この約二倍の初週興行収入あげてます。
では、なぜ『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・シリーズ』が興行的には失敗してしまったのでしょうか?ひいては『スター・ウォーズ』のスピンオフシリーズはなぜ本編に追いつけないのでしょうか?考察を交えながら、記事にて紹介していきます。
『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』について
まずは『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・シリーズ』の本編解説です。ネタバレはありません。
ストーリー
遠い昔、はるかかなたの銀河で…。銀河のアウトローとして、ミレニアム・ファルコンのパイロットとしてスター・ウォーズシリーズに登場していた、ハン・ソロの誕生の物語。ミレニアム・ファルコンとの出会い、チューバッカとの出会い…。
造船が盛んな惑星、コレリアで育った二人の若者。ハンとキーラ。ハンはパイロットになることを夢見て、コレリアのギャングから脱走を試みる。咄嗟に帝国軍の志願兵としてコレリアを去り、戦場である男性に出会う。そして、銀河をまたぐギャングの抗争に巻き込まれていく…。
割引・入プレ情報
『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・シリーズ』の割引情報、入場者プレゼントの情報です。
前売り券 | あり(ムビチケ) |
サービスデイ等 | 劇場による |
入場者特典 | 公開日より3週連続(ポストカード) |
入り具合
僕がこの映画を観に行ったのは、公開後一週間経ってからでした。本来「スター・ウォーズ」シリーズは公開日に即観に行っていたのですが、ちょっと心に突っかかるものがあり、なかなか重い足をあげるのに時間がかかってしまいました。
ちなみに原因である前作の『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』に関する記事はこちら。
『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』解説
では『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・シリーズ』の内容を時系列や本編との繋がりなど、細かに解説していきます。
時系列
さて、この『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・シリーズ』は「スター・ウォーズ」シリーズ正史においてどの時系列に位置するのでしょうか。ハン・ソロの若き日を綴った物語なのですが、最近のハン・ソロといえば『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』に出てきた白髪老齢のソロ。
『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・シリーズ』は、ソロの18~26歳の物語なので、時系列的にはアナキンがダースベイダー墜ちしたEP3、『スター・ウォーズ エピソードⅢ/シスの復讐』の後で、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』より前となります。丁度プリクエルとオリジナルの間になります。
ケッセル・ランなどの過去
「ケッセル・ランを12パーセクで」というセリフを、スター・ウォーズファンであれば聞いたことがあると思います。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でもソロが話していましたね。あれが一体なんのことを指すのか、というお話も今作に入っています。
さらには歴戦の相棒チューバッカとの出会い、ランドとの出会いも描かれています。スター・ウォーズ本編(スカイウォーカーの物語)に関わる出来事はこの辺りですね。ファンとしては、想像やセリフの断片が映像化されているので垂涎モノです。
本編との繋がり
ともあれこの『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・シリーズ』は「スター・ウォーズ」シリーズのスピンオフ。本編との直接的な繋がりはあるのでしょうか?
残念ながら、マーベル・シネマティック・ユニバースのように、『アベンジャーズ』へ繋がる布石のようなものはありません。強いて言えば、『スター・ウォーズ エピソードⅣ/新たな希望』のソロ登場へ繋がるお話が少しあるくらいです。
SWフランチャイズ化の欠点
続いて少し余談です。毎年のようにスター・ウォーズ関連作品が公開されていますが、それはいかがなものでしょうか。嬉しいと言えば嬉しいのですが、喜んでばかりもいられません。興行的に不振な事実を踏まえたフランチャイズ化の欠点を考えてみます。
毎年公開予定だった
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が2015年に、そして『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』が2016年、2017年は『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』、2018年の今年は『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・シリーズ』と、スター・ウォーズ関連作品が2015年以来一年ごとに公開されてきました。
そもそも初代スター・ウォーズの公開は1977年。社会現象をも引き起こしたこのシリーズが始まり、プリクエルシリーズは1999年から2005年にかけて作られました。”毎年観れる”なんて贅沢はなかったものの、そこから派生する二次創作や小説、文化に対する影響は凄まじいものでした。
それが、”毎年SWが観れる”となると…なんだかありがたみに欠けてしまいます。贅沢を言うなと怒られるかもしれませんが(誰に)、”過去の名作”がドル箱になって毎年バコバコ作られているとなると、少し寂しい気持ちになりますよね。
今作以降のスピンオフが打ち切りに…
ありがたみに欠けると思っていた矢先、今作の『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・シリーズ』以降のスピンオフを予定していた、ボバ・フェットが主人公のスピンオフやオビ=ワン・ケノービが主人公のスピンオフなどの制作が打ち切られたとの噂が流れています。
ファンとしてはどうにか観たかった作品の打ち切り情報。それもそのはず、マーベル作品に比べると、本編とスピンオフの興行収入が約2倍の差ができてしまっているのです。やはりこれはフランチャイズ化が失敗してしまった、ということでしょう。
ドラマとかいかがでしょう?
しかしながら、なんだかんだ言いつつも、スター・ウォーズ関連作品に触れる機会が多いことは個人的にはとても嬉しいことです。
だからですね、ルーカスフィルムの方々、「スター・トレック」のドラマもやってますし、一度制作費が安く済むドラマなどでスピンオフをやられてはいかがでしょうか…?笑
映画作品は不振だけどドラマは面白いというDCコミックスの例もありますし、ルーカスフィルムが作る実写のスター・ウォーズドラマって、凄く時代に合っている気はするのです。ドラマであれば、観ないファンは観ないですし、映画とも差別化できそうな。
『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・シリーズ』レビュー/感想
出典:reddit
それでは長く今作について周囲の出来事などをお話ししてきましたが、やっと今作のレビューです。
何かが足りない面白さ…
まず観終わった時に思ったのですが、「エンタメ映画としては面白いけど、何か足りない…」。そう感じてしまいました。例えるならブルース・ウェルス主演の単発アクション映画に、『ダイ・ハード』の面影を観たような…。
ストーリー自体はとても面白いです。ポール・ベタニー演じる悪役もいいキャラですし、ベケットのマカロニ・ウェスタン風のレーザー銃の使い方も格好いい。カーチェイスならぬ宇宙船チェイスもハラハラする。
だけど何かが足りない!なんだろう、とひたすら考えを巡らしていると、ある男の顔が浮かびました。彼の名はスター・ロード。マーベル作品の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の主人公にして、イケてる宇宙のアウトロー。
これだ!今作、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・シリーズ』のハン・ソロは彼に比べるとアウトロー感が足りないのです。いや、アウトローになる前のお話だから仕方ないのですが、当の本人は若いから必死だし、金もない。女も一人を愛し続けるほど純粋で、嫉妬もする。アウトローから程遠い純朴な少し無茶する青年で、”普通にいいやつ”として描かれていました。
ハリソン・フォードと似ていない
さらに拍車を掛けるのが、若き日のハン・ソロを演じるオールデン・エアエンライクですが、どう見てもハリソン・フォードに似ていない。上の画像を見ていただくとわかる通り、骨格からして違うような…。
これはけど難しいですよね。スター・ウォーズともなると、ハン・ソロ=ハリソン・フォードが定着仕切っていて、いくら若き日と言っても、俳優選びには苦労すると思います。けど、もうちょっといなかったのかな…。
SWシリーズの女性の可愛さ
そん中での癒し的存在、チューバッカではなくヒロインのキーラ役を演じるエミリア・クラーク。この子が可愛いのなんのって。AV女優の吉川あいみに似ています。
この方を含め、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のフェリシティ・ジョーンズ(最近結婚しちゃいました)や、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のデイジー・リドリーなど、戦闘員として強くて、美しいというSF女性キャラの配役がうまくて、みんな可愛い。いつかは女性だけのSWを観てみたい。
まとめ
皆さんは『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・シリーズ』をどう観たでしょうか?僕は「もう劇場ではいいかな…」という気分になってしまいましたが、やはりここはスター・ウォーズ。銀河をかける映像美と爆音を是非まずは映画館で味わってください。