映画館スタッフが語る内情!洋画の公開が日本では遅い理由

洋画の公開の遅さに悩む男性

今や外国の情報はインターネットを通して簡単に知ることができます。アメリカで公開され、レビューまで書かれている映画が、いつまでたっても日本で公開されない!そんなもやもやを抱えたことは映画好きならあるはず。

この記事では、日本で洋画公開が遅れがちな理由と、映画館側の内情をお話ししていこうと思います。

どれくらい遅れているのか?

だんだんと遅れていく洋画の公開

具体的にどれくらい遅れているのでしょうか。僕自身がアメコミ好きなので、アメコミ映画を例にあげてみます。

  • 『アベンジャーズ』

日本公開は2012年8月14日。アメリカの公開日は2012年5月4日。なんと約3ヶ月の遅れ!にもかかわらず、日本では36億円以上の興行収入を達成していました。『アベンジャーズ/インフィニティー・ウォー』はアメリカと同時公開してくれています。馴染んできた、と言う感じですね。

  • 『アントマン&ワスプ』

日本公開は2018年8月31日。アメリカ公開は2018年7月6日。1ヶ月以上の遅れ…。マーベル・シネマティック・ユニバースがここまで浸透しているのに、遅すぎる!

  • 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』

日本公開2014年9月13日。アメリカ公開は2014年7月21日。こちらも2ヶ月以上の遅れ。当初は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』自体がマーベル・シネマティック・ユニバースとは言えかなりマイナーだったので仕方ないっちゃ仕方ないけど…。

まとめると、平均して1~2ヶ月遅れは当たり前、ひどいと半年以上遅れている作品もあります。ではその理由はなんなのでしょうか?

洋画の日本公開が遅れる理由

夜明けが遅いように洋画の公開が遅い日本

では日本でなぜ洋画の公開が遅れるのか。その理由を説明します。

理由その①:配給会社が様子見している

映画がみなさんのお手元に届くまでに、幾つかの段階を経ます。最終的に各映画館で上映されるかどうかは、配給会社の裁量が大きく関わります。

海外で公開されて間もない映画は、賛否がわからないものです。どういった層にどういう風に広告をかければいいのか、海外で公開されたあとに観客の反応を見ているのです。

理由その②:宣伝期間をなるべく長くするため

海外で上映されたあと、日本で公開するまでに日本での宣伝期間をなるべく長くとろうとします。テレビCMやSNS、タイアップ企画など、十分な宣伝期間を取る必要があります。

これにはもちろん言葉の壁の問題や文化の違いもあります。海外での作品の宣伝の仕方が、そのまま日本では適用できないから、なるべく長く、効果が出る宣伝をするために海外上映開始後に日本でも宣伝をしておくんですね。

理由その③:箔をつけるため

「アカデミー賞受賞作品」「全米興行収入No.1」、このうたい文句は何度も見たことがあると思います。特にアカデミー作品の場合、海外では上映開始後に授賞式があって、日本では授賞式後に公開、と言うパターンが多いです。

少しでも観客の気をひくために、映画作品に箔付けを行うのですね。例えば宣材のポスターなど、アカデミー受賞の冠がついている方が目を引きますもんね。

以上が日本の公開が遅い主な理由でした。

映画館側はなんとかできないのか!

洋画公開が遅いことに憤る猫

では、実際に観客の声を直接聞く映画館側はどうなのでしょうか?僕が働いていた頃は、よくアンケートボックスや電話での問い合わせで、「〜を上映して欲しい」と言うご意見をいただいていました。

上映してくれよ!海外と同じ公開時期にしろよ!と思うかもしれませんが、こればっかりは映画館の支配人でも何ともならないのです

特に大手シネコン系ですと、上映する作品は支配人より上が決めて、現場は上映回数や時間を組むだけ…と言うシステムになっていますので、映画館側では手も足もでないのです。特に大手制作会社が作ったビックバジェットムービーなどは。

映画配給システムについての関連記事はこちら。

映画上映前の大量の会社ロゴは何?映画館に作品が届く仕組み

2018.07.25

いち映画好きの意見

素材の味をそのまま生かすように映画の面白さをそのまま伝える

僕も日本での公開の遅さには苛立ちを覚えていました。確かに、日本の観客が興味を持つかどうかわからない外国映画を、海外と同じ時期に公開するのはリスキーです。でも最近は映画自体もドラマのようにフランチャイズ化していますし、アカデミーで候補に上がった映画は大凡日本でも流行ります。

しかも、今やSNSなどで海外のアカウントを見る機会は日常茶飯事なので、避けていてもネタバレに出会ってしまう可能性があります。

また、海外の評価を事前に知ってしまうということは、その評価自体が先入観に変わってしまうため、日本人が海外の映画を観て自分の感想を持ったり自分で考えたりする機会が損失してしまっていることになるんです。

あと、日本の海外映画宣伝の形態が、どうしても恋愛に偏りがちなのです。海外で流行ったから、日本ではこういった風に宣伝しよう、と言う一呼吸入れる間に、どうしても映画の内容と関係の無い情報が付加されて広告されてしまうケースが多々あります。

だからこそ、淀川長治さんが日曜洋画劇場で解説してたように、映画の面白さをそのままに伝えていけば、ちゃんと海外でも面白い映画が日本でも伝わっていくはずです。

最後に

なぜ日本での洋画公開が遅いのかという理由についてお話しました。今やテレビで洋画が流れる機会もめっきり減ってしまって、同じような邦画ばかりがリピートされています。

これは観客も徐々に気づいてきているので、今こそ洋画を真面目に宣伝していくべきではないでしょうか。

 




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PROFILEわたしが書きました。

いとうMgr.

某大手シネコンにて、アルバイトスタッフとして4年間勤務して、喜びも悲しみも味わった男性。
映写技師からポップコーンの販売まで、4年間勤めてみればアルバイトのほとんどをこなせるようになっていた。好きな映画はエドガー・ライト作品。大手シネコンではエドガー・ライト作品は中々上映されず、当時は憤りを抱いていた。