遭遇したくない…。過去に映画館で起こってしまった、ちょっと怖い事件5選。

みやざわ支配人

映画館はお客様が安心かつ安全に映画を楽しめる場所でなければありません。もちろん、われわれ映画館スタッフはそういった面にも配慮して日々劇場運営を行っています。

ただ、残念ながら過去には映画館で事件が起こってしまったことがあります…。

中には「映画館が好きだからこそ、過去に映画館で起こった事件について知りたい」という方もいるでしょう。

そこで今回は、そんな惨劇を繰り返さないためにも、映画館で実際に起こってしまった事件を5つご紹介します。

事件1.映画の殺人シーンで拍手と歓声

1つ目は、アメリカ・ニューヨークの映画館で起こった事件です。

2019年10月、DCコミックスの悪役・ジョーカーの生誕を描いた映画『ジョーカー』が日米で同時に公開されました。

かなり話題になった作品なので、公開と同時に映画館に足を運んだという人も多いのではないでしょうか。

そんな中、公開日にニューヨークのとある映画館で、上映中の観客の3分の1がシアターから逃げ出すという事件が起こりました。

というのも、スクリーンに殺人シーンが流れるたびに、1人の男性が歓声を上げたり拍手を送ったりしたというのです…。

歓声はかなり大きく、他の観客たちが注意するとケンカ腰になったそう。その男への恐怖から、3分の1の観客は劇場を後にしました。

後に警備員がやってきて男を退席させたことにより、けが人などは出ずに済みました。後から分かった情報によると、男はただの酔っ払いだったそうです。

とはいえ、『ジョーカー』が賛否両論ある映画だっただけに、もしその場に居合わせていたら…と考えると恐怖ですよね。

参考文献:FRONTROW「『ジョーカー』の“殺人シーン”で「拍手と歓声」続けた男性、映画館から退場させられる」

事件2.上映中にパニック発生

映画『ジョーカー』続きでもう一つ事件をご紹介します。

こちらの事件(騒動)は、2019年10月、『ジョーカー』を上映していたパリの映画館で起こりました。

映画の上映中、一人の観客がいきなり立ち上がり「アッラー・アクバル」と叫んだことから、観客達はパニックを起こしたという騒動です。

「アッラー・アクバル」というのは、アラブ語で“神は偉大なり”を意味する言葉で、テロリストを連想させたことからパニックが起こり、30人近くの観客が劇場出口へと走りったのだとか。

その男性は警備員に取り押さえられるが逃走、最終的に警察によって逮捕されました。

結果的に、男性や劇場から武器や爆弾は見つかりませんでしたが、騒動のなかで“盗難事件”が起こっていたことを何人かの観客は証言しています。

男が騒ぎを起こしているうちに盗難事件を働いていた共犯者がいたのかもしれません。

「神は偉大なり」という一言がこれほどものパニックを引き起こした背景には、欧州で複数のテロリストが実際に犯行前にこの言葉を口にしていたことがあげられます。

『ジョーカー』の公開が、犯罪を誘発する可能性があるのではないかと懸念されていたことからも、そこに居合わせた観客にとって怖い騒動となりました。

参考文献:THE RIVER「『ジョーカー』パリの映画館でパニック発生 ─ 上映中に男性が「アッラー・アクバル」と叫び観客が避難」

事件3.上映中に刃物で刺される

2016年6月、人喰いザメが登場するパニック映画『ロスト・バケーション』の上映中にアメリカ・カリフォルニア州の映画館で起こった事件です。

映画の上映中、劇場内でいきなり21歳の男性が後ろから刃物で刺されるという事件が発生。男性は、腕や喉、肺などを何度も刺され、重傷を負いました。

その後、犯人は映画館から逃亡しましたが、事件後まもなくして23歳の男が逮捕されました。犯人の男は、「特にこれといった動機はなく、無差別に刺した」と語ったそうです。

事件が起こった映画館は、サンフランシスコから90kmも離れた閑静な街「サンタローザ」に位置していたことや、事件が起こったのが平日の昼間であったことなどから、多くの地元民がショックを受けることとなりました…。

誰もが予想できなかった残虐な事件。劇場側の安全対策がより一層必要とされるきっかけになった事件でした。

参考文献:Yahoo!ニュース

事件4.オーロラ銃乱射事件

オーロラ銃乱射事件は、アメリカ・コロラド州に位置する都市オーロラで起こった事件です。

映画館で起こった事件と聞くと、この事件を真っ先に思い浮かぶという人も多いのではないでしょうか。それくらい有名な事件です。

事件は、2012年7月、バットマンシリーズの映画『ダークナイト ライジングサン』のプレミア上映中に起こりました。

犯人は、映画の上映中にガスマスクや防弾チョッキを身につけた姿で登場し、劇場内に催涙ガスを投げ入れガスが立ちこめる中、拳銃・ライフル・ショットガンで銃乱射を行いました。

この事件により、12人が死亡、70人以上のケガを負いました。

後にこの事件が起こったオーロラの映画館では、映画『ジョーカー』の上映が見送られています。というのも、『ジョーカー』が事件を誘発するからというのはもちろん、当事件の犯人が悪役・ジョーカーに影響を受けた男性との報じられていたからです。

犯人はバットマンの悪役・ジョーカーに影響を受けたため、バットマンシリーズ『ダークナイト ライジング』の上映中に当事件を起こしたと言われていました。実際に、映画と事件が関係していたのかは不明です…。

オーロラ銃乱射事件は、後に映画化もされています。実際の事件を基に、殺人犯と6人の男女が映画館へと向かう経緯がドキュメンタリー風に描かれています。

オーロラ銃乱射事件についてくわしく知りたいという方は、『ダーク・ナイト』という映画をチェックしてみてください。

それにしても、『ジョーカー』という映画がよくも悪くも色々なところに影響を及ぼしていることは間違いないですね…。

参考文献:Wikipedia「オーロラ銃乱射事件」

事件5.銃を持った男が映画館に立てこもり

2016年6月、ドイツ西部のヘッセン州で、仮面姿の男が18人の人質とともに映画館に立てこもるという事件が発生しました。

犯人は拳銃やライフル、爆弾のようなものを手にしていましたが、後に模造品であったことが判明しています。

警察官により犯人は射殺され、不幸中の幸いにも負傷者は出ませんでした。犯人に過激組織に属していた経歴はなく、精神的な病が原因だと報道されています。

参考文献:テレ朝News

おわりに…

今回の記事では、過去に海外の映画館で起こった事件を5つピックアップしてご紹介しました。

冒頭でもお伝えしたとおり、映画館は観客が安心して映画を楽しめる安全な場所でなければなりません。

それにもかかわらず上記のような事件が起こってしまったことには、とても胸が痛みます…。

日本の映画館はあらゆるところに防犯カメラが設置されており、海外よりセキュリティが高いという一面もあり日本ではここまで被害者が出るような事件・事故は起こっていません。

だからと言って油断せず、過去にこういう事件で被害にあった人がいるということを認識しておくだけでも防犯に繋がりますので、ぜひ胸に秘めておいて頂きたいです。そして、なにか小さな事でも気づいたら劇場スタッフに一声掛けてみてください。

映画館側でも、スタッフの見回りや監視カメラなどの防犯面を強化し、さらに安全なシアターを作ることに徹するとともに、小さな犯罪から大きな犯罪まで持ち込まれないことを祈ります。




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with Theaterの支配人です。
7年間大手シネコンで劇場マネージャーを務めたのち、デザイン・マーケティングの仕事を経て独立。今でも映画館の仕事は素敵だと思っています。尊敬する人物はジャッキー・チェン。仕事でトム・クルーズに会った時に緊張し過ぎて顔が白くなった経験あり。