シットコムのオススメ作品『ビッグ・バン・セオリー/ギークな僕らの恋愛法則』

みやざわ支配人

海外ドラマの勢いは、飛ぶ鳥を落とすくらいです。
ネット配信という強力なツールを得て、今までは衛星放送やレンタルでしか観られなかったドラマの多くが、より多くの家庭へと届けられています。
『ウォーキング・デッド』や『ブレイキング・バッド』『ハウス・オブ・カード』。挙げだすとキリがないのですが、そのクオリティも凄まじく良いものになっています。
ハリウッドの映画監督なども続々とドラマ制作に加わり、映画に次ぐ大きなコンテンツになりつつあります。今回はその中で最も気軽に観れて面白い、シットコムドラマの作品を紹介します。

シットコムって?

 

シットコムとは、シュチュエーションコメディの1つのジャンルで、登場人物や舞台が固定されているコメディドラマです。
決められた状況の中でドラマが起きる、シュチュエーションが常に一緒のコメディですね。特に一話完結で、回を跨いでの物語上の繋がりが薄いものをシットコムと分類します。日本でいう「吉本新喜劇」が近いスタイルです。

有名なもので言うと、『フルハウス』を覚えているでしょうか?1987年から全192回で放送されていた、シットコムの代名詞とも言えるべき作品です。ジェシーおいたんやミシェルに心を奪われた人は多いでしょう。

シットコムのいいところは、一話が短い点にあります。長くても30分、これがドラマ一話分の尺なんです。ゾッとするようなシーズン数と話数の海外ドラマって、中々観る気にならないですよね?シットコムなら、空いた時間にサクッと観れるし、シーズンや回を越えてのストーリーの繋がりが無いため、必ずしも順番に見ないといけないということはありません。

こんなに気軽に観れるドラマ、その中で今最もアツい作品を紹介します。

ビッグバンセオリー/ギークな僕らの恋愛法則

 

変な邦題がついていますが、ギークは技術系オタクという意味のスラング英語です。アニメ好きの萌え系オタクとはちょっと違う、パソコンや科学的な知識に精通しているタイプのオタクを指します。『ビッグ・バン・セオリー』はそんなオタクの男4人組を主人公にした物語です。

一番まともなレナードとルームシェアするシェルドンは4人の中でも一番の変人。友達であるインド人のラージと30近くでママと同居しているハワードもかなりのオタクで変わり者。この4人が中心となり、シュチュエーションコメディが展開されます。
ちなみに本国では2007年から放送されているので、今年で10年。シーズン12まで放送が決まっています。

アメリカの大手テレビ局CBSでも視聴率トップ5入りしたり、ドラマ版アカデミー賞であるエミー賞を受賞したりと、かなり評価の高いドラマです。

ビッグバンセオリーの見どころ

 

さてこの『ビッグバンセオリー』。
同じシットコムのフルハウスと比較すると、フルハウス程の感動はありません。というか皆無です。全編通してオタクのキモさやオタクと一般人の違いが笑いの種となっています。少しセンチメンタルないい雰囲気になったかと思うと、すぐにギャグが入って涙腺を締めます。
しかもオタクの主人公が話す内容のほとんどが『スター・トレック』やアメコミ、アメリカの昔のドラマなど、日本人にはあまり馴染みがないものです。

けど安心してください。
そもそも彼らはギークです。色々なことに精通していて、物理学の話などチンプンカンプンです。だけど、笑えるんですよ。
なぜかというと、まずこのドラマ、フルハウスの様に笑いどころになると笑い声のSEが入ります。だから自然に、あ、ここ笑うんだと釣られて笑ってしまいます。日本のテレビ番組も多く使っている手法ですね。

ただ、別にわかりにくかったりしょうもないギャグではありません。オタクであるからこそしてきた辛い経験を彼らは振り返って、それが笑いになるのです。話している内容はギークなことなのに、ちゃんと笑える。それがこのドラマの凄いところです。

少し内容に触れますと、第1話においてこんなやり取りがありました。

隣に引っ越して来た美女の元カレの家に、テレビを取り返しに行ってくれと頼まれたシェルドンとレナード。レナードはその美女に鼻の下を伸ばして、快く受けてしまいます。
いざ元カレの家に着くとそこはマンションで共同玄関付き。インターホンを鳴らして元カレに開けてもらわないといけないのですが、オタク2人など入れるはずがありません。

「2人のIQを足せば350以上あるんだ、こんなドアくらい開けれるよ!」

「考えろ!」

彼らが考えている間に、幼い少女2人が色んな部屋のインターホンを押しまくって、適当に共同玄関を開けてしまいます。

こんな感じで、賢いのに実生活に全く役立ってなかったり、オタクだから外に出てもパッとしなかったり、本来は悲壮感が漂うのですがそれが笑いになります。同じオタクが主人公の日本のドラマ/映画の『電車男』とはかなり違ったテイストです。

まとめ

この『ビッグバンセオリー』ですが、現在huluではシーズン8まで配信されています。僕も最初は空いた時間に観るだけだったのですが、シーズンを通していると主人公達は少しずつ成長しています。その姿に涙が出てしまったり、まるで友達の成長を間近で見ている感覚になりました。尺が短いシットコムだからこそ、ゆっくりと時間をかけて追っかけることができるので、知らない間に自分の一部になっちゃったりします。

気になった方はまずはシーズン1の第1話だけでも。




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with Theaterの支配人です。
7年間大手シネコンで劇場マネージャーを務めたのち、デザイン・マーケティングの仕事を経て独立。今でも映画館の仕事は素敵だと思っています。尊敬する人物はジャッキー・チェン。仕事でトム・クルーズに会った時に緊張し過ぎて顔が白くなった経験あり。