【ネタバレ有】『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』でもやもやした人向けのレビュー

みやざわ支配人

みなさん!観たでしょうか!僕は2018年4月27日の公開初日、朝一の回に観てきました。世間では限定先行上映が前日夜に行われていたみたいで、ネタバレや感想を恐れた僕はカマー・タージで修行するドクター・ストレンジのごとくSNS関係を全て絶っていました。

『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』公開から三日が経った今、withTheaterでもネタバレを含んだレビューを書いていこうと思います。もういいでしょ!笑。喋りたくてウズウズしているのです。これからどうなるの?今回こんなに多くのヒーローが登場したのに、なんでこんなにまとまっているの?予告と全然違う内容じゃない?などなど、徹底的に解剖していきたいと思います。

あ、ネタバレに関してなのですが、今作に限っては、ルッソ兄弟監督が公式にサノスのガントレットを写してにネタバレ厳禁の警告をするなど、いつもに増して周到に注意されています。

僕自身のネタバレに対するスタンスとして、勿論公開初日のネタバレはしません。あと誰もが選択できずに目にしてしまう場(SNSなど)でのネタバレもしません。さらに言うと、ストーリーを語るだけの記事、邪悪で純粋なネタバレはダメだと思います。

だけでもここはインターネット。人の口に戸は立てられません。人によってネタバレの判断基準も違います。だけど、いろんな人とこの映画の話をしたい!と言う衝動からこの記事を書いています。

最初に言っておきます。なるべく本編のストーリーには触れません。誰がどうなったとか結末がどうなったとかはなるべく触れずにいきますが、必ず鑑賞後に読んで下さい

マーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)を10年間追い続けた、否、『ブレイド』や『X-MEN』からアメコミ映画を追い続けたしがない男の、眼福の気持ちと悲痛の叫びです。

MCUとの10年間

 

まずは振り返りです。

『アイアンマン』から始まった

MARVELスタジオが始めたアメコミ原作映画のMCU。それは『アイアンマン』から始まりました。現段階で発表されているフェーズは3段階。そしてようやくフェーズ3へときています。足掛け10年。作品数も『インフィニティ・ウォー』で19作目。

僕の自分語りみたいになってしまうのですが、『アイアンマン』公開時、僕は高校生。まだ少し残っていた中二ごころに『アイアンマン』はドストライク。その後も同年に公開された『インクレディブル・ハルク』(『ファイト・クラブ』のエドワード・ノートン主演!)などなど、大学、社会人と歳を取っていく傍に常にMCU作品がありました。

『アベンジャーズ』を観て開いた口が塞がらなかった

時は進み、『アベンジャーズ』が公開されました。それまで公開された5作品のヒーローが集結して、さらに『アベンジャーズ』から参戦するヒーローも。総勢6名のヒーローが一同に会し、カメラがワンカットでぐるりと彼らの周りを回る。

危うく失神しそうになりました。漫画原作の子供向けの映画かと思っていたのですが、メインキャラが何人も集まっているのに面白く、まとまっている。その映画手法は匠の領域でした。子供の頃の妄想が、現実で起こっている錯覚を感じました。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で一生ついていこうと思った

『アベンジャーズ』以後、新たなヒーローの主演映画や既存ヒーロの続編映画が次々と公開されていきました。その中でも、異質の光を放っていたのが『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』。ジェームズ・ガン監督は『スーパー!』から注目していて、この映画で愛すべき監督となりました。

最新のスペースオペラであって、良質なコメディ映画。自分の好きなものが全部詰め込まれていて、ラストは単純だけど大切なテーマに泣ける。もうたまりませんよ。

勿論、映画として面白い映画はMCU以外にもたくさんあります。MCU映画は面白いけど、所謂「人生を変える映画」とか、「何度観ても泣ける映画」には成り得ないと思っていました。

しかしこの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で、「人生を変える映画」とか「何度観ても泣ける映画」と言う自分の中にあるカテゴリーにMCU作品が入ることになったのです。もう一生MCU作品についていこうと決めた契機になりました。

そして2018年。MARVELスタジオ10周年。今までのヒーローが全て出てくるという、滅茶苦茶な内容でありながら一つの終着点でもある映画『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』が公開されました。

感想『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』

 

思いの詰まった『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』。その感想を書いていきます。ここから明確なネタバレが入りますのでご注意を。

観終わるともやもやする

まず初回に観たとき、観終わると非常にもやもやとしました。これはクリフハンガーと言われる作劇手法の一つで、所謂続編が前提で物語が終わります。最近のシリーズもの映画では割と多いですね。『ロード・オブ・ザ・リング』など続編前提のシリーズ映画であればある程度心構えができます。

上映前に監督の公式アナウンスとして、海外メディアでこう報じられました。

“The movies are two very different movies,” answered Joe.

引用:UPROXX(https://uproxx.com/movies/russo-brothers-confirm-avengers-infinity-war-title-change/)

訳すと、アベンジャーズの3と4は異なった全く別の映画だ、と言っているのですね。僕はこれを聞いて、完全に安心していました。アベンジャーズ3を観た後に、4の公開まで堂々と過ごせるもんだと思っていました。

心構えができていなかったので、今まで一応シリーズ通してつながりがあったものの、クリフハンガー的な作り方をしていなかったので、「まさかアベンジャーズで…」と、かなりもやもやが残ってしまいました。

主人公はサノス

と、思って何度か『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』を観直すと、確かにこれはこれで完結してる物語だったのです。

最初に観たときは、自分の好きなヒーローたちが集まった映画なので、勿論彼らが主人公だと思っていました。彼らの物語であり、お祭りなんだと。

しかしこの映画、主人公は悪役であるサノスなのです。MARVEL作品と言えば、魅力的でバックボーンがしっかりとしている悪役が多く登場しますが、まさか悪役自体が主人公になるなんて…。

この物語の基軸は、サノスなのです。サノスの喜びと悲しみが表れていたり、特にラストのテロップ。MCUでは「アイアンマンは帰ってくる」と言うテロップがスタッフロールの後に出てきますが、今回は「THANOS will return」、「サノスは帰ってくる」でした。

作り手側も、サノスが主人公という前提で作っているのですね。そう思うと、サノスの映画として割ともやもやすることは無くなりました。

だから約40人の登場人物をまとめられた

この映画に登場するヒーローは約40人。どのキャストも、単品映画で語られるほどの質量を持っています。その登場人物をまとめ上げる手腕はもはや匠の技さばきなのですが、さすがに今回は多かった。だけどきちんとまとまっている。

その理由としては、物語の基軸を先述の通りサノスにおいているからです。サノスのストーリーであるからこそ、この映画のストーリーが散らかることなく成立しています。サノスにとってヒーローたちは、目的達成における邪魔なモブ程度なのですから。

あっちでこっちで…MCUの特徴が最大限に

MCUの『アベンジャーズ』作品の特徴として、戦闘シーンなどでこっちで戦っている間、あっちで別の戦闘が行われていて、それがシームレスに繋がっているというものがあります。

場面転換が凄くスムーズというか、空間の使い方がうまいというか。その技法が最大限になっているのが今作。地球で戦闘しているかと思えば、宇宙のあっちでも戦闘していて、片や別の宇宙では戦闘準備をしていて…。今回はそれらがラストシーンの衝撃的で悲しい結末に収束するのですが、まさにユニバースでした。

IW、アガる瞬間

 

さて、感想を述べたところで、今作の”アガる瞬間”を振り返ってみましょう。

キャップ!浮浪者キャップ!

ブラック・オーダーのプロキシマ・ミッドナイトとコーバス・グレイブがヴィジョンとスカーレット・ウィッチを襲っている時にキャップが駆けつけます。電車が通過して、顔が明るみに出てくる瞬間…。決してド派手ではないけど、その瞬間にアガりきりました。

さらにその後の戦闘シーンのスムーズさ。スカヨハの美しい動き!もうたまりません。

ガーディアンズ!また会えた!

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々が登場するシーン。こちらの曲に合わせて登場します。

この曲はジェームズ・ガン監督がルッソ監督に3曲提案した中の一つだそう。しかも、ヨンドゥに貰った音楽プレイヤーZUNEの中に入っている曲だそうです。

曲とともにガーディアンズメンバーが一人一人ワンカットで映されていく。ああ…またこいつらに会えた…。アガりました。

ソー!ソー!やっぱりそうじゃなきゃ!

ワカンダでの戦闘シーン、装い新たに完全復活したソー、ロケット、グルートが地球に降り立ちキャップ達の危機を救います。これはもうね、一番アガりました。キターーーーーー!って感じで。座席から立ち上がりそうになりました。

ソーはMCUの中でも一番破壊的というか、マンガチックな画になるキャラなので、こういうド派手な登場が似合っていますね。

ハルクvsサノス

映画冒頭の戦闘シーン、ハルクとサノスの殴り合いです。ここでの敗北でハルクはビビってしまったのかそれ以降出てきません。しかし、サノスの怪力だけではない、俊敏な動きと的確に急所を狙う戦闘方法は、数十秒でサノスの強さをうまく表現しています。

こんな感じで各シーンに、無駄がない。全てに意味があって、とても濃い2時間40分が形成されています。

スター・ロードとアイアンマンの駆け引き

エボニー・マウの宇宙船でタイタンに着いたアイアンマン一行。そこにガーディアンズが表れて、早とちりから戦闘が始まります。

スター・ロード自体は普通の人間でそこまで強くないのですが、ギミックを使ってアイアンマンに引けを取らない戦いをします。これがいい!アガる!ヒーロー同士の戦いだけど、各々の個性がしっかりと出ています。

さらにその後、アイアンマンのスター・ロードに対する名前の呼び方が「クイル」に変わっていきます。共通の敵を前にして、深まっていく信頼と言いますか…眼福です…。

作戦会議シーン

続いてガーディアンズとアイアンマン一行の作戦会議シーン。特にアガったのが、スター・ロードとスパイダーマンの会話。作戦会議シーン自体も腹抱えて笑うほど面白かったのですが、地球と銀河をかける映画好きの波長が合うシーンがアガりました。

サノスの顔

この映画通して、サノスの顔面力が凄い。戦闘時の厳つさ、厳しい顔も凄いのですが、眉の動きで見事に感情を表現している。ハリウッドのCG技術ってとんでもないとこまできてますね…。

今後どうなる!妄想するしかない

今回、ヒーローを基軸にすればなんとも言えない終わり方をしたのですが、今後の展開は妄想するしかありません。どうやってヒーローは復活するのか?これからどうなるのか?

タイムリープ、タイムトラベル、時空改変説

MARVELのコミック原作でよく起こるのが、時空改変。今までの物語をなかったことにして、新たな主人公でスタートしたり、死んだはずのキャラが復活したりします。「ハウス・オブ・M」ではスカーレット・ウィッチがミュータントが人類を支配する世界に改変しました。

さらに、次回作『アベンジャーズ4』の撮影現場のリーク写真から、昔のコスチュームを着たアイアンマンやキャプテン・アメリカ、ソーなどが写されていました。これは何を意味するのか。もしかすると時間が巻き戻ったのではないか。

気になる根拠として、今作IWにおいて、ドクター・ストレンジがタイム・ストーンをサノスに渡すシーン。あそこで何か神妙な面持ちをしていました。タイム・ストーンに何か仕掛けをしたのか?トニーが生き残ることで、1400万分の1の確率で勝てる未来へたどり着くのか?ドクター・ストレンジは何か観えていたみたいですね。

サノスが改変

サノス自ら時空を改変する可能性もあります。娘ガモーラを手にかけ、心残りはある様子。今作でサノスは思っていたより感情を出していました。主人公ですから。そのサノス自ら、時間を巻き戻したり、消し去った生物を復活させることもあり得ます。

原作で出てくる、死の女神デス。サノスは彼女に一目惚れします。もしかすると、それに準じた新キャラクターが出てきて…と言う可能性も無くはない。

というか、消し去られた面々は”死んだ”訳ではないので何かしら復活はするだろう、続編決まってるやつもいるし…と思っています。そうなると絶望的なのはガモーラとロキ。ロキはともかく、ガモーラはサノス自ら蘇らせる可能性もありますね。

ミスリードの多さから予測できない

今後『アベンジャーズ4』に関して公式やリーク情報がバンバン出てくると思います。だけど、それ自体がミスリードの嘘情報の可能性もあります。厳戒なネタバレ対策を行っているMARVELスタジオなので、やりかねません。

あと、今作『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』の各種予告映像と、実際の本編は大きく異なっていました。まあカットされたシーンとかもあるかとは思うのですが…。あくまで予告は予告、しかしそこから妄想を繰り広げると思わぬミスリードになってしまうことがありそうです。

参考までに…

ソーが復活して新たな武器を手に入れるシーンでしょうか。カットされたシーンっぽいですが、観たかった…。

「彼にシールドを」というティ・チャラ王。実際の本編では走りながら同じセリフを言っていました。こんなゆったりとした雰囲気ではなかったですね。

このシーンはカットされたシーンかな?ハルクバスターの腕をいじくるバナー。これも本編にはなかったです。

サノスがスペース・ストーンを壊すシーン。これ、本編では左手では無く右手でやっていましたね。

きわめつけはこのシーン。本編にねえよ!ハルクいねえし!

このように、結構予告映像との違いがあります。あくまで予告なんですがね。もし『アベンジャーズ4』の予告が解禁されても(間も無くかも)、色々と予測しづらく結局1年先までもやもやは残りそう。

まとめ

映画自体は、エンターテインメントの最高峰としてとても面白かったです。アメリカの映画はどこまで面白くなるのやら。

また、MCUファンとしては、『アベンジャーズ4』の公開早めるか、『インフィニティ・ウォー』のDVD最速で発売されてくれ!!と悲痛な叫びです。次回作の公開は最低限、延期だけはやめて頂きたい。




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わたしが書きました。

with Theaterの支配人です。
7年間大手シネコンで劇場マネージャーを務めたのち、デザイン・マーケティングの仕事を経て独立。今でも映画館の仕事は素敵だと思っています。尊敬する人物はジャッキー・チェン。仕事でトム・クルーズに会った時に緊張し過ぎて顔が白くなった経験あり。