映画館で上映開始後に入場してくる人って、映画館には必ずいますよね。道が混んでいたから、トイレに行っていたから、タバコを吸っていたから。理由はいかなるものでも、映画館は公共の場です。
上映開始後に入場して、それを迷惑に感じたお客さんが劇場にクレームを入れるというのも、映画館で働いていた時に何度もありました。
この記事では、”映画館に遅れて入場”するということについて、劇場サイドの対策と、遅れないようにはどうすればいいのかを書いていきたいと思います。
はじめに
映画館の照明が落ち、製作会社のロゴが流れる。映画の本編が始まり、数十分後…。館内に入ってくる人影が、携帯のライトをつけながら自分の席を探している。さらにその数分後、映画にのめり込んできたところで、目の前を通る人影。「すいません」、声の主は隣に着席し、カバンから袋をがさがさと取り出して、落ち着こうとしている様子。
こんな経験、ありませんか?僕は何度もあります。僕個人としては、映画館へ遅れて入場してくる人はいろんな理由があると思いますが、もし計画を立てておらずにそうなったとしたら、「なんでそんな段取り悪いんだ」と悪態をつきたくなるほど嫌いです。しかしこの記事では、できるだけフラットに見ていきたいと思います。
映画館へ遅れて入場することが迷惑な理由
まずはやられたサイドから、なぜ迷惑かを考えたいと思います。
①前を通られる
これが一番嫌なのですが、たまたま遅れて入ってきた人と同じ列の席で、自分の目の前を通られてしまうことです。本編が始まっているのに通られてしまうと、スクリーンが当然見えなくなりますよね。
しかも、誰かが通るとわかると、足元の荷物をどけたり、気をつかわないといけない。その間も映画が観れません。つまり遅れて劇場に入るということは、堂々と人とスクリーンの間に立つことになるのです。
IMAXの場合だと、スクリーンがでかい分映写機の照明で影が作られる可能性があります。こんなことをされてしまうと、たまったもんじゃないですよね。
②ウロウロして目障り
次の理由として、遅れて入ってきた時には館内はすでに真っ暗のはずです。そんななか、自分の席を見つけるのは結構難しいです。列のアルファベット表記に弱いライトが当たっている劇場もありますが、全てがそうではありません。
そんな暗いなか、自分の席を探そうと、館内をウロウロされると非常に迷惑です。気が散るし、携帯のライトを使って席を探し出そうものなら発狂してしまいます。
③本人も得しない
最後に、遅れて入って来る人自身も得しないからです。映画の冒頭くらいいいやと思っている人もいるかと思いますが、映画の重要なセンテンスが最初に収められいるなんてことは多々ありますし、最初を観ていないから中身が最後までわからなかった、なんてことも。
ですから、遅れて映画館に入って来るのって、誰も得しないんですよ。「ちょっと一時停止」ができない映画館だからこそ、しっかりと準備をしていく必要があります。それにせっかくお金を払っているんだから、見逃した部分があると勿体ないですよね。
劇場側の対策
実は劇場側も、遅れてくるお客さんを予測して対応策は立ててはいるのです。
意見が多いマナー問題
映画館で他のお客さんのマナーが悪くて不愉快な思いをした人の声の中に、必ずと言っていいほど入っている「遅れて入ってくる人に映画の邪魔をされる」。
もちろん、劇場側にもその声は届いていますし、対策もされています。対策と言うより、「お客様全てに映画を楽しんでもらう」ために、映画に遅れてしまった人や時間通りきていた人、みんながちゃんと映画を観れるようにしています。
チケットの購入期限が決まっている
まず、極端に遅れて入ってくる場合、入るお客さんにとっても、中にいるお客さんにとってもいいことはありません。劇場側もそれは理解していますので、基本的にチケットが買える期限というのは決まっています。
この目安は劇場によって異なりますが、おおよそ、上映開始後から20分経過した作品は、チケット窓口で販売も終了していますし、入場もできません。
なるべく端の席を勧める
自動発券機がある場合はこの対応はなかなかできませんが、有人チケット窓口の場合、チケットボックスのスタッフは必ず上映開始している作品のチケットを買うお客さんに対して、なるべく通路側の席を勧めます。通路側の席であれば、館内が暗くてもわかりやすいし、誰の迷惑にもなりませんよね。
しかし、中には「いや、入りにくくてもいいよ」と、自分のことしか考えない人もいて、こういう人には強制できないという点もあります。
スタッフがいる場合はなるべく誘導する
入場開始後直後は、スタッフもそれに備えているため、入場時に困ったことがあったり、ポップコーンをこぼしてしまったら対応することができます。しかし、上映が開始して極端に時間が経っていると、対応できるスタッフも少なくなります。
もちろん、スタッフがいる場合は遅れてきたお客さんを誘導して入れてあげれるのですが…。
映画を楽しめなかった場合
劇場側の対応の最後に、遅れて入ってきた人によって映画を楽しめなかった場合、つまりやられた側についての対応です。
映画によって、最初の部分の重要性は違いますので、作品によりますが、本当に楽しめなかった、集中できなかったと思ったら、上映終了後に劇場側に相談してください。楽しめなかったきちんとした理由があれば、劇場側も振替券などで対応してくれます。
計画的に映画を鑑賞するために
映画館は、公共の施設です。例えば電車とかバスって、乗る時間に間に合わなかったら待ってはくれませんよね?映画も同じで、時間がきたら始まるし、すでに映画を楽しんでいる人がいることを想像してください。どうしても遅れちゃうんだ、という人に計画的に映画を鑑賞するための秘訣を教えます。
早めに着きましょう
まずそもそものお話なのですが、電車やバスに乗るとき、発車時刻に着く段取りで動く人ってまずいませんよね?多くの人は発車時刻に余裕を持って駅に到着すると思います。
映画も同じで、余裕を持って着けば、上映が開始して20分後に入場するなんてことにはならないはず。ではどれくらい早めに行けば余裕ができるのでしょうか?映画館について、チケットを買ったり受け取ったりして、ポップコーンやドリンクを買い、トイレに行く。ざっと見積もって、上映開始の20分前に着いていれば、慌てずに映画を観ることができます。
予約システムを使おう
映画館の多くは、オンライン予約システムを導入しています。これを使うことで、当日映画館に行けばチケット売り場の列に並ばなくても映画のチケットを発券することができます。
これを使えば、かなり時間が短縮できるので、映画に行く時毎回慌ただしいという方は是非活用しましょう。
予告の時間を考慮しよう
上映開始後の遅れて入ってくる人の多くは、遅れてしまう理由として、「予告があるから安心した」という方がいます。どうせ興味のない長い予告があるんだから…と思うのもわかりますが、映画の予告時間は作品によって異なります。
これは、劇場スタッフに確認できるので、予告が終わったタイミングで入りたいという人はチェックしておきましょう。
最後に
最後に、それでも遅れてしまう方、遅れるのが悪くないと思う方へ。
「遅れるのは仕方ないじゃないか」と思う方へ
この記事で何度も書いているように、映画館は公共の場であり、いろんな人が”映画を楽しみたい”という目的で来ています。
もし映画に遅れた理由が特別な理由でない限り、映画が上映してからズケズケと入るということは、「映画を観る気がない」「他人の鑑賞を邪魔する」ということに繋がります。当然、劇場側は公平にみなさんに映画を楽しんで欲しいため、こういったお客さんは劇場側からすれば”迷惑なお客さん”になりますし、他のお客さんにとってもそうです。
もし、公共の場は自分の場だ、という考えを持っている方がいるのであれば、残念ながら映画館という場ではなく、ご自宅で映画を鑑賞した方が気持ち良く鑑賞できると思います。
どうしても遅れてしまう、という方は、映画が始まってからの入場は、他のお客さんに迷惑がかかる、ということを覚えておいてもらえればと思います。
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